第26話「メタフィクションの逆襲」
「最近さ、私のキャラ薄くない?」
「いやそんなことはないと思うけど」
帰り道のファミレス、ワンポンドステーキにかぶり付きながらそんなことを言い出した黑谷ちゃん。
否定しようにも彼女はステーキナイフをくるくる回しながら反論する。
「だってさ、ライバル強くない?TS美少女おじさんにクソボケメス男子×トップモデルのラブコメだよ?私ももっとチカラ使いまくったほうが良かったりする?」
「使いまくるとどうなるの?」
「SCPみたいになるかも」
「路線変更じゃん」
「そこが問題なんだよね。路線変更かキャラ立たせるか……うぐぐ……もう40話弱やっちゃってるしなぁ……」
「また黑谷ちゃんが変なこと言ってる……」
あ、今の歯めっちゃえっちだった♡
っていうか黑谷ちゃん、地味に下の犬歯も結構エッグい形しててやばいんだよなぁ……♡♡
「白山くん聞いてる?」
「聞いてないよ〜」
「せめて嘘くらい吐かない?」
「でも黑谷ちゃん気づくじゃん」
「まあそうなんだけどさ」
そしておやつにステーキ一皿ペロッと平らげた黑谷ちゃん。
魔法という意味不明なメカニズムを説明されてなおかなりの納得のいかなさが勝つカロリーの消え具合。
いや、俺もまあ人ほどダイエットがいらない体質だから人のこと言えたもんじゃないんだけど……
「……それにしてもさ、黑谷ちゃんってほんと派手な魔法使わないよね。日常の細々した悩みを潰してる感じっていうか。魔法、実はあんまり好きじゃなかったりする?」
「まさか。私は大好きだよ、私のチカラ。私は私を構成する全てが好き。白山くんの次くらいにね」
「……やっぱキャラ立ってるって。TS症知ってて、魔法について教えてくれて、こんなに一緒にいるんだから。もしこの世界が黑谷ちゃんの言ってるようなラブコメだとしても、多分俺と黑谷ちゃんが王道CPだよ」
「そうかな……って、ちょっとストップ」
◇◇◇
「はい、どうぞ」
いや、俺もまあ人ほどダイエットがいらない体質だから人のこと言えたもんじゃないんだけど……
「……それにしてもさ、黑谷ちゃんってほんと派手な魔法使わないよね。日常の細々した悩みを潰してる感じっていうか。魔法、実はあんまり好きじゃなかったりする?」
「まさか。私は大好きだよ、私のチカラ。私は私を構成する全てが好き。白山くんの次くらいにね」
「……やっぱキャラ立ってるって。TS症知ってて、魔法について教えてくれて、こんなに一緒にいるんだから。もしこの世界が黑谷ちゃんの言ってるようなラブコメだとしても、多分《《わたし》》と黑谷ちゃんが王道CPだよ」
「ん〜、差分ありがた〜♡」
待って、こいつ今しれっとヤバいことやってなかった?
「……っと、なんかスッキリしたし帰ろ?白山くん」
「……まあいっか。別に」
そしてお礼として俺のパフェ代まで出してくれた黑谷ちゃん。
気づけば空はそこそこ暗くて、とっくのとうに5時のチャイムはなってたらしい。
街灯の電気がちらほらと点き始めた帰り道を、俺達は少し遠回りしながら歩いた。
「……あ、そうだ。忘れるところだった」
「何?まだ何かあるの?」
「読者のみんなー!!もっとみんなの高評価待ってるからねー!!」
一番星の見える空に、そんな意味分かんない黑谷ちゃんの叫びがこだました。




