奴はヘアスタ
分かる。分かるよその気持ちヘアスタ。
「俺はなぁ!中学の時にずっと好きだった子がいたんだ!告白をしたら"鷹鬼さんの事が好きだからごめんなさい"だとよぉ!だから俺はお前を越えるべく中学の制覇をしてきた!強くなった!それでまた告白したら"鷹鬼さんの事が好きだからごめんなさい"2回も同じ理由で振られた。今日俺は迅鬼を倒し鷹鬼を越える!」
「…理由はどうあれ分かった。かかってこい。」
ーーー分かる。めっちゃ分かるぞヘアスタよ。もしもみさぴが鷹鬼に惚れてたら俺もヘアスタみたいになってたかもしれねぇ。ガチで。
「やったれヘアスタ!そしてボコボコにされてこい!」
素直な気持ちで俺はヘアスタを応援した。
「そんな理由で鷹鬼に挑むとか命知らずだな。」
うるさいぞきんに君。しゅきぴができたらお前も分かるはずだ。
「好きな女の為でも鷹鬼に八つ当たりじゃねえか。」
黙れ辻。なんかムカつくから八つ当たりもしたくなるものだ。
「ぐわぁぁぁぁ!」
案の定喋ってる間に勝負はついていた。
でしょうねえ。新入生で1番強くても鷹鬼の強さと速さは人間じゃねえもん。
「まぁ…なんつーか元気出せよ。ヘアスタ。」
「…中学上がりにしては大したもんだ。…女のことは…まぁすまなかった。」
ヘアスタはしょんぼりしている。戦う前にはバッチリだったリーゼントもほんのり垂れ下がっている。
だが次の瞬間垂れ下がっていたリーゼントが一直線に伸びヘアスタは立ち上がった。
「俺さ…鷹鬼の事勝手に敵視して…ぶん殴れば気分が晴れると思ってた…でも殴るどころか逆に一瞬でやられちまった。俺は鷹鬼みたいなでけえ男になりたい!だから今日から双天鬼についていく!」
「…新しい仲間が増えるのはいいかもな。」
鷹鬼のその言葉にヘアスタのリーゼントが上向きになる。なにあのリーゼント。生き物みたい。ちょーウケる。
試してみよ。「俺は反対だ。」
「えっ…」リーゼントが下向きになる。
「なーんてな。よろしくなヘアスタ!」
「冗談きついっすよ!」リーゼントが上向く。
やっぱりだ。マジウケる。
「なんかあいつ変わってるな。」
辻の一言にきんに君が同意する。
「確かに。よく分からない奴だな。」
こうして俺たちになんかマジウケる仲間が加わった。
このマジウケる奴をきっかけにあんな事に
なっていくとは想像もしていなかった。
着実に不穏な空気が街を包み俺らに迫ってくるとは
思いもしていなかったーー
何あのリーゼント。
ずっとウケる。




