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無敵のヒーロー

朱雀会と対面。

刺し違えてでも潰してやる。

「んだオラァ!双天鬼だかなんだか知らねえけど朱雀会に1人で乗り込むとかただのバカじゃねえか!」

「やっちまうぞオラァ!」

下っ端共の怒号が倉庫内にこだまする。

「まぁ待て待て。諸君ら。お前らを潰すまで俺帰らねえからとりあえず一服させろ」

「はっはっはっはっ!面白い奴だな久里鬼は!待ってやる。好きなだけ一服しろ!」

吉田が大笑いをし下っ端共を制する。

俺は肺に深く煙を入れ最後のタバコになるんだろうなぁと思う。

「いやー実に面白い奴だ。是非朱雀会に入らないか?」

「ばーか。今から潰れんのにどうやって入ったらいいんだ?みさに怖い思いをさせたお前ら全員ぶち殺しやるよ。」

タバコを吸い終える。

「かかってこいや!朱雀会のその他共!」

まずは1人。得意の右フックで顎を砕く。流れで近くの奴にワンツーを叩き込む。鉄パイプが迫る。それを受け止めカウンターで鳩尾に入れ沈める。

最初の数人こそは余裕でいけたが

ーーなんせ数が多い。

10人目を潰した頃には俺も傷が増えてきた。

口元から血が滴り体の至る所の皮膚が避け血が滲む。

それでも俺は止まらない。

満身創痍になりながらも半分くらいまで数を減らす。

それでも拳を振るい続ける。

もう自分の血か返り血か分からない。

「どうだ吉田ぁ…もう10人くらいしか残ってねぇぞ。すぐに殺してやるからなぁ…」

「確かに力はあるな。だがそれだけだ。おい」

吉田が合図をする。奥から数人の男が出てくる。

チッ…不味いな。まだいたのかよ。

「なかなか朱雀会の頭には辿りつけないな。まぁいい誰がきても潰すだけだ。」

その数人の中に引きずられる奴がーー

「おい!筋肉お化け!」

「すまねえ。太刀打ちできなかった。」

ボロボロになりながらも申し訳なさそうにこちらを見る。

吉田は松浦の首元にナイフを押し付け言った。

「さぁどうする久里鬼?お前がこれ以上動いたらこの刃先が深く深く首に吸い込まれるかもな。」

「…すまねえ筋肉お化け。こいつらぶち殺すからお前もナイフで殺されてくれ。………なーんてな。」

俺は動きを止めた。

それからは下っ端共の猛攻を無抵抗で受ける。

血を流しすぎた。意識が朦朧とする。痛みも既に感じる余裕がない。

「…おい…筋肉お化け。鷹鬼に伝えろ。みさの事守ってくれって…」

鉄パイプが振り下ろされる。終わった。これで俺の最後だ。そう覚悟した瞬間。

鉄パイプが弾き飛ばされた。

「…バカ。今後もみさちゃんはお前が守っていけ」

「来るの遅せぇよ鷹鬼。」

「…ヒーローは遅れて登場するもんだろ」

薄れゆく意識の中俺は鷹鬼の背中を見た。

無敵のスーパーヒーローが来てくれたのだ。

俺にとって無敵のスーパーヒーロー鷹鬼。

安心して意識失える。

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