激突
朱雀会の下っ端共が…。
許さねえ。
「へへっ。悪いな双天鬼のお二人さん。俺から行かせてもらうぜ。」
松浦が一歩踏み出し鋭い蹴りを放っていく。
バチィ!バチィ!バチィ!まるで鞭で打ったかのような激しい音が鳴る。
音が鳴る度に蹴りを受けた相手の戦意を削ぐ。
足を押さえ蹲り、別の奴はうめき声を出しながら膝をつき、泡を吹いて倒れてる奴もいる。
「あぶねぇぞ!気をつけろ!筋肉の妖精!」
ーー鉄パイプが松浦を襲う。
ガキィ!けたたましい音と共に松浦の肩にめり込む。
「ぐ…ぐが…」肩を押さえ膝をつく松浦。
「もういい!お前は下がってろ!」
俺と鷹鬼が変わりに前に出る。
「…調子くれてんじゃねぇぞ朱雀会。」
鷹鬼の猛攻だ。信じられないスピードだ。
急所を狙った的確な突き。蹴り。常人じゃ目で追えない。鷹鬼の通った後には動けなくなった朱雀会達が転がっていく。
さぁ俺も頑張るか。
「みさに怖い思いさせやがったその他共が!今日の俺は機嫌悪りぃぞ!」
大きく振りかぶり渾身の拳を叩き込む。
相手は吹き飛び数人を巻き込み壁へと激突する。
「朱雀会共がよぉ!まだまだ終わらせねぇぞ!」
拳の連打を打ち込みながら前へ前へと進む。
バチィィィ!腕に激しい痛みが走る。
「い…いべぇ!」経験のない痛みに思わず変な声が出る。チェーンが腕に巻きついている。
「やりやがったなこのボケ!」
チェーンを掴みそのまま相手を引き寄せると顔面にヘッドバッドを叩き込む。グシャ。
鈍い音と共に相手は崩れ落ちる。
「ふぅ…粗方は片ずいたみたいだな…。」
「…こっちも終わった」
「今日も余裕だったな」
拳と拳を合わせ2人で笑う。
「鷹鬼悪ぃ。ちょっとみさのとこ行ってくる。松浦の事任せていいか?」
「…おう。こっちの事は気にするな。早く行ってこい。」
「ありがとな!」
勝利の一服をしながらみさの元へ向かう。
「お待たせ!もう大丈夫っぽいよ!」
「大丈夫だった…?あっ!血が出てるじゃない!本当に無茶しないでよ…」
涙ぐみながらみさが俺の腕に抱きつく。
い…いべぇ…そっちはさっきチェーンが巻きついた方だからさぁ!できれば逆の腕にさぁ!
「これからは本当に無茶しないでよ…」
ギュッとより一層力を入れみさが抱きしめる。
「いっ…」やべ声出た。
「い?」みさが見上げる。可愛い。本当に常に可愛い。好きぴ。俺の好きぴ。
「い…いつでもみさを守る。でも無茶はしない約束する。」
よし誤魔化せた。そしてちょっとかっこいい事言った。
こうして波乱の文化祭は幕を閉じたーー
下っ端共は倒せたが…。
朱雀会本体との戦いは避けれないものとなった…。




