二学期開始
二学期開始。
あぁ宿題してねぇ。
学生の本分果たしてねぇ。
夏休み明け。
皆真っ黒に日焼けしてワイワイ盛り上がっている。
休み中の浮かれた気分が抜けてないみたいだ。
だが宿題を終わらせておらず悲壮感を漂わせている者たちもチラホラ。まぁ俺もその一人だが。
「鷹鬼くらい秀才だったら宿題の量足りなかったんじゃね?」
ちょっとイジり気味に聞いてみる。
「…あぁ高校レベルの宿題じゃ物足りなくてさっさと終わらして東大の過去問解いて暇つぶししてた」
涼し気な顔をし答える鷹鬼。ぐぬぬ。
あっそうだ!みさとプールに行った自慢をしよう。
「そう言えばさ鷹鬼!みさとプー「おーい!鷹鬼と久里鬼!なんだか久しぶりっ!元気してた?」」
最悪のタイミングで来やがったな筋肉お化け。
「…なんだか一回りデカくなってないか?松浦」
「夏休み中筋トレ頑張ってさ。腕立て1000回チャレンジとかしてたのよ」
「相変わらずお前すげーな!筋肉お化け!」
「うるせえよ。久里鬼は休み何してた?」
よくぞ聞いてくれた。今話す時だ。よく聞くんだ鷹鬼と松浦。俺の幸せ話をさぁ!
「実は俺みさと2人でプー「おっす。3人とも相変わらず元気そうだな。二学期もよろしく!」」
辻…てめえもか……オラァ!
「…辻。最近は変わった事は何もないのか?」
「あぁ。どこの勢力も不気味なくらい静かだ」
「…そうか。でも油断だけはできねえな」
「もしどっかの奴らが襲ってきても鍛えた俺の筋肉でぶっ倒してやるよ。双天鬼の出番ねえかもな!松浦無双見せてやんよ!」
あっ思い出した!すげー重要な事!
「3人とも聞いてくれ。そういや休み中にプール行ったんだけど朱雀会とちょっと揉めて何人かぶちのめした。」
「…マジか?朱雀会…頭はインテリ吉田だったよな辻?」
「あぁ。あいつは喧嘩も出来るがとにかく頭がいい切れ者だ。あいつの策略で武力に頼らず壊滅させられた族もあるらしい」
「…そいつは面倒だな。何事もなければいいが」
「すまねえな鷹鬼。なんだか火種作ったみたいで」
「…いや謝る事は無い。久里鬼が無闇矢鱈に喧嘩を売る人間じゃないのは分かっている。仕掛けたのはあっちからだろ?」
「てか久里鬼がプール行くとか珍しいな。友達と行ってきたのか?」
よくぞ聞いてくれた!ありがとう松浦!今日からちゃんと名前で呼ぶ!
「いやー実はさ一緒にプール行ったのはみ「おーいそろそろホームルーム始めるぞー早く中に入れー。」」
おうコラ担任。戦国時代なら下克上しとるぞ。
「…おっと。ちょっと話し過ぎたな。また後で集まろうか。」足早に散って行く3人。
こうして二学期が幕を開けた。
皆元気そうで何より。
後から俺の夏休みの話聞いて。
お願いだから。




