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勝ちへの道筋

見事な連携のタカとアフロ。

果たして勝てるのか。

タカとアフロ。

こいつらさっきから人をサンドバッグみたいにポコポコ殴りやがって…!2人の連携が凄まじく反撃に転じる事が出来ない。いや待てよ…タカを殴るふりをして先にアフロやっちまうか…?

ものは試しだ。俺はタカのパンチに合わせカウンターを鳩尾に打ち込む。

「グフっ」鳩尾に当たりはしたが浅い。タカが後ろの方へ体を引き力を逃がす。どんな反射神経してんだタカは。

その隙をつき「お前なんばしよっとか」アフロからのビンタが炸裂する。

なるほどなるほど。これ以上殴られたらヤバい。

「相変わらず凄いね久里鬼くんのパンチ。力を逃がしてもしっかりダメージは入る。モロに食らったら一撃で立てなくなるよ。うん。」

「言ってろ。そろそろ終わらしてやるよ。」

構えてタカに向き直す。

「そうだね。終わらせようか。僕らの連携は1ミリの世界だからね。君でも勝てやしないよ。」

タカの連打がまた始まる。連打に合わせカウンターをするーーフリをして俺はアフロの方に向き直る。

その動きまで読まれていたようだ。

「無駄だよ。兄さんがメインの連携もあるんだ。」

タカがニヤリと笑う。

油断しやがったな。アフロを向きつつ後ろ回し蹴りをタカの顔面に入れる。グシャッと鈍い感覚が伝わりタカが膝を着く。

「蹴り技は鷹鬼くん…じゃ…」

「馬鹿野郎。俺だって多少は足もいける。」

よし後はこのアフロだけだ。

「タカ、タカ、どげんすると?」

左フックをアフロの脇腹に刺し右ストレートを顔面に叩き込む。

「お前…なん…ばしよっとか…」

アフロが地面に突っ伏す。

なんとか勝った。俺は勝利の余韻に浸りながらタバコに火をつける。

「やっぱタバコやめない」

そう呟きつつ参得亜が言っていた5つめの勢力との言葉が気になる。鷹鬼なら何かしってるかも。1回学校の方へ戻るか。

「じゃあ俺行くから。お前らなかなか強かったぜ。」

「今日はありがとうね。僕らは強い人の名前を聞くと戦いたくなるんだ。別に君ら双天鬼に恨みがある訳でもないから勘違いしないでね。」

「鷹鬼は俺ほど攻撃を当てさせてくれないからアイツと戦うときはもっと強くなってからがいいぜ!じゃあな!また会う日まで!」


俺は学校へ歩を進めるとそのまま屋上へ向かう。屋上へ着くと鷹鬼は休憩をしているようだった。


「なあ鷹鬼…俺らが6つ目の勢力て呼ばれてる事知ってる?」

「…そんな噂も耳にしたことある。それよりどうした?ボロボロじゃないか。」

「いやこれは厳しい鍛錬の結果こうなった。5つ目の勢力かぁ。他にも5つあるって事だろ?なんかとんでもない事になってるな。」

「…街の勢力については辻が詳しい。1度集まって話し合ってみるか?」

「そうだな。勢力ってのに興味あるし話し合いしようぜ。」

「…どこに集まろうか。学校じゃ周りの奴らが騒がしいし。」

俺はチャンスだと思った。アンジュって言えアンジュって言え鷹鬼アンジュって言え。

必死の形相で鷹鬼を見つめる。

「…ファミレスでも行ってなんか食べながらってのもいいかもな。」

違う!違う!鷹鬼それは絶対違う!俺は般若のような形相になる。

「…ア…アンジュとか話の邪魔が入らずいいかも…」

引き気味の表情で鷹鬼が言う。

「鷹鬼がそこまで言うなら絶対アンジュにするか!」

呆れたように鷹鬼は俺を見ていた。

街の勢力図…6つ目としての勢力"双天鬼"

これから街を揺るがして行く事になるとは

誰にも予想は出来なかった。

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