ベトナム人少女の不思議な夢。異国日本への、禁断の扉。
初投稿です。小説を考えるのは初めてで、AIにも登場人物の名前など一部協力してもらいました。こちらを第1章として日本の変わったカルチャーに憧れる海外の若者を主人公に短編小説を書いていこうと思います。
ベトナム南部の田舎町チャウドック。
熱帯の湿った空気がベトナムの少女の部屋に流れていた。少女の名前はリン。日焼けした褐色の肌に、どこか憂いを帯びた大きな瞳。部屋の片隅には、日本の漫画が置かれている。インターネットを通じて知った、日本のポップカルチャーは、リンにとって身近な存在だ。アニメ、漫画、音楽、ファッション。異国日本の文化は、彼女の心をいつも時めかせる。
そんなリンが、ネットで偶然知ったのが、日本の「アダルト業界」という、彼女の住む世界とは全く異なる異質な世界だった。ベトナムではアダルトコンテンツへのアクセスは厳しく規制されている。リンが見たのは、検閲をかいくぐってアップロードされた違法動画のようだった。そこで垣間見た、大胆で妖艶な日本のAV女優たちの姿は、リンにとってとても衝撃的だった。彼女たちの見せる表情、身のこなし、そして何よりも、カメラの前で堂々と自分を表現する姿に、リンは不思議な魅力を感じていた。
特にリンの心を捉えたのは、「水上悠亜」というAV女優の存在だった。彼女は日本でも名の知れたAV女優である。動画で見る彼女の姿は、リンにとってまるで幻のように見えた。彼女の強い眼差し、堂々とした表情は、リンの心に深く刻まれた。ベトナムの規制されたネット環境では、彼女が出演する作品を公式に見ることは出来ない。動画で見る水上悠亜は、リンにとって異国の世界で輝く、強くて美しい女性のようで、またあこがれの存在でもあった。
いつしかリンの心には、「日本へ行って、水上悠亜さんのようなAV女優になりたい」という、誰にも言えない秘密の夢が芽生えていた。ベトナムの小さな町で育ったリンにとって、それはあまりにも突拍子で、現実味のない夢だった。言葉も文化も違う異国、ましてや、彼女が活躍する特殊な世界で、自分でも輝けるのだろうか。
リンは夜になると、スマートフォンを片手に、日本のアダルト業界の情報を探す。彼女が登場する動画やSNS、所属するプロダクションのサイト、AV女優たちのインタビューの記事。不安定な回線と、ベトナムでのアダルトコンテンツへの厳しい規制の目を掻い潜りながら、小さな画面を食い入るように見つめ、日本の女優たちの情報やSNSの投稿、動画を探した。彼女たちの日常の断片から、リンは夢の世界を垣間見たようだった。
ある夜、リンは偶然、ベトナム語で書かれた水上悠亜のインタビュー記事を見つけた。彼女のプロフェッショナルな姿勢、仕事に対する真摯な思い。リンは、ますます彼女への憧憬を募らせた。いつか、水上悠亜さんに自分の思いを伝えたい。リンはそう決意した。
リンは見よう見まねで覚えた片言の日本語で、インスタグラムを通じ水上悠亜にメッセージを送ってみた。ベトナムの厳しいアダルトコンテンツ規制が、このメッセージの送受信に影響を与えるかどうか、リンには分からなかった。
数日後、リンのスマートフォンに、見慣れないアカウントからの返信が届いた。ドキドキしながら開くと、そこには日本語でこう書かれていた。「リンちゃん、メッセージ読んだよ!夢に向かって頑張ってるんだね、すごいね!でもね、この世界、楽しいことだけじゃないんだ。色々あるけど、リンちゃんは自分の気持ちを大切にして、後悔しない道を選んでね。日本に来て共演できることを楽しみにしているね!」
それは、まさしく憧れの水上悠亜からの返信だった。短い言葉だったが、リンには熱いものが込み上げてきた。禁断の光の中で見つけた憧れの人からのメッセージ。それは、リンにとって暗闇の中の一筋の光のように感じられた。
しかし、現実は厳しかった。ベトナムから日本への渡航費用は、リンの家族にとって天文学的な金額だった。言葉の壁、文化の違い、そして何よりも、彼女が憧れるアダルト業界への入り口は、依然として見えないままだった。
それでも、リンの心から、異国の日本でAV女優になるという夢は消えなかった。彼女は、ベトナムの厳しいネット環境で、日本語の勉強を続け、日本の文化に関する情報を集め続けた。いつか、この厳しい規制の網を抜け出し、憧れの地で、自分の信じる夢を掴みたい。その強い思いが、彼女の孤独な夜を照らしていた。
ベトナムの熱帯夜は、今日も静かに更けていく。リンは、スマートフォンに映る水上悠亜をそっと見つめ、小さな希望を胸に抱いた。禁断の夢は、まだ始まったばかりなのである。