第七夜
こんな夢を見た。。
私は雪山にいた。しばらく雪山を見ていると、キツネが現れた。色合いからするにキタキツネであろうか。
モフモフの毛が可愛らしい。思わず撫でたい衝動に駆られるが野生のキツネにはエキノコックスに感染する恐れがある。
ゆえに触れることができないらしい。触ったことが無いから分からないがね。
キツネを見ていると白い雪と茶色の色合いがどこか美しさを感じさせる。
このキツネは人を化かすのだろうか。近くにいる人は私だけである。もしかして、私を化かしてくれるのだろうか。好奇心が刺激される。
私をどのように化かしてくれるのだろう。気になって仕方がない。
私がキツネを見ていると、鳥がやって来た。どうやらキツネの近くに落ちている実を食べようとしているようだった。
キツネが急にゴロンと横になり、眠ったように目を閉じてしまった。本当に眠っているのだろうか。それとも、寝たふりだろうか。
鳥がキツネの近くに降りてきて、落ちている実を食べようとしたその瞬間、キツネが鳥を食べてしまった。
油断して近づいたところを捕らえるとは聞いていたが、なんて賢い狩りをするのだろう。
あと、寝たふりがどこかチャーミングである。これが化かすという謂われなのかもしれない。
もしかしたらキツネが人を化かすという話も、キツネのこの仕草を見て人々がそう考えたのかもしれない。だとしても、神秘性と結びつけるとはよく考えられたものだ。
私がまだキツネを見ていると、今度は葡萄を見つけたようだった。雪山に葡萄は有り得そうで有り得ない奇妙さだ。時季外れの葡萄は果たして美味しいのだろうか。
私が葡萄の木を見ていると、キツネがぴょんぴょんと飛び跳ねていた。しかし、葡萄には届かない。残念なことだ。
やがてキツネは葡萄に手が届かないのを悟るやいなや去っていってしまった。まぁ、鳥を食べたのだから、今度はデザートにという感じだったのだろう。
そこで私は目が覚めた。あの夢は一体どんな意味が有ったのだろうーー。