表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/64

60食目 カロリーゼロのシュガーゴイルパウダー



「うーん、最近甘い物食べ過ぎかしら……」



 こんにちは、ヘンリエールです。

最近暑くてアイスとかの冷たくて甘いものを食べ過ぎたせいか、すこしお腹がプニっとしてきました。

まあ、別に暑くなくても3時のおやつにコーヒーとクッキーはマストだし、寒い冬にコタツでアイス食べるのも大好きだから通年糖分を摂り過ぎなのかもしれないけど。



「健康食品売ってるギルドの営業が不健康なのはあまり良くないわね……」



 多分一番よくないのはわたしが大好きでいつも晩酌の時に飲んでいるイザヨイ酒な気もするけど。

あれってお米で作ってるお酒だから、結構糖分が多いのよね。



「せめて家で使ってるお砂糖くらいは量を減らしたほうがいいのかなあ……あら?」



 スーパーの調味料コーナーを眺めていると、砂糖の横に謎の灰色の結晶が売っているのを発見する。



 〝ダンジョン食品工業/シュガーゴイルパウダー〟



「シュガーゴイルパウダー……?」



 『洞窟系ダンジョンに生息するシュガーゴイルを粉末加工した、カロリーゼロの魔工甘味料です。お砂糖と同じ甘さでお料理に使いやすい!』



「カロリーゼロの、甘味料……」



 この販売元のダンジョン食品工業は、主にダンジョン内に生息する魔物を食材として販売している商業ギルドだ。

まだあまり食材として広まっていないダンジョン産の魔物を取り扱っているため、基本的にマイナー食材というか、チャレンジングな商品を出しているイメージがある。



「シュガーゴイルかあ……そういえば、齧ると謎の甘みを感じるとか聞いたことがあるけど」



 こういうカロリーゼロの甘味料って本当にちゃんと甘いのかしら?

カロリーが無いのに砂糖と同じとか、絶対そんなことない気がするんだけど……



「でもちょうど良いわ。これを砂糖の代わりに使えばかなりダイエットできるかも」



 ちょっと不安だけど、物は試しだ。一つ買ってみようじゃないの。



 …………。



「とりあえず、コーヒーに入れて使ってみよう」



 帰宅していつものおやつタイムにクッキーとコーヒーを用意する。

クッキーもいつも食べてるお砂糖たっぷりバタークッキーじゃなくて、全粒粉のボソボソしたやつ。

コーヒーにはミルクとティースプーン3杯分のお砂糖を入れているので、これをシュガーゴイルパウダーに置き換えてみる。



「いち、にい、さんっと……わ、なんかあんまり溶けてない感じだなあ」



 若干灰色の粒が浮いているのが気になるが、まあ仕方ない。

大切なのは味。ちゃんと甘みがあるのか確かめてみよう。



「森羅万象の恵みに感謝を。いただきます……ふー、ふー、ズズ……」



 …………ごくっ。



「……うーん」



 たしかに甘みを感じる。

ただ、やっぱりなんか砂糖の甘みとは違うというか、口に含んだ一瞬だけ甘くて、そのあとスッと消えて無になるというか……



「なんか、少し変な苦みもあるわね」



 コーヒーなんだから苦みがあるのは普通なのだが、そういう苦みともまたちょっと違うような……渋柿みたいなエグみに近いかも。



「シュガーゴイルパウダーかあ……」



 まあ、完全に置き換えるんじゃなくて砂糖半分シュガーゴイル半分とかにすればギリいけるかも。



 ―― ――



「こっちの全粒粉クッキーはどうかしら……はむ」



 ……もぐもぐ。



「うーん……バタークッキーと比べると、満足度80%減って感じね」



 つまりバタークッキーより5倍の量を食べないと満足できないというわけ。

これはダメね。





 …………。





 ……………………。





 やっぱカロリーある方が美味いわ。





 【ダンジョン食品工業/シュガーゴイルパウダー】



 ・お店:スーパーで買ったから知らん。



 ・値段:高い。砂糖の3倍くらいする。



 ・料理:こんなんで甘みを誤魔化して食ってたらストレスで逆に太る。



 ヘンリエール的総合評価:37点。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ