始めての王都
この王都辺から物語は新たな展開を始めます。
是非、お楽しみお願いします。
忌憚の無い感想・コメントをお願いします。
これが王都…
中心に近づけば近づくほど建物が高くなっていく…
「母さま~ どうしてこんなに高い建物が多いの?」
「こら、お母さまって外では言わないとだめでしょ。
唯一神が天界におられるという伝承から空に近づくことは権威の象徴と言われているの
は知ってるでしょ? その伝承から高い建物を建てることは自らの権力、財力を象徴する証とされているの、そしてその権力の象徴が浮島の王城。」
「そうだ。王城に近ければ近い程、そして建物が高ければ高い程、力があるとされる。」
へぇ…王都の中心に高い建物が多かったのはそういうことなのか。
え? でも今俺たちはかなり王都の中心に入っているけど…
そんなにいい宿に泊まって大丈夫なのか…?
「今かなり中心部にいるけど大丈夫なの?」
「あ~ それはな、大丈夫だ。今まで教えてこなかったが実は母さんはな…」
「今まで行ってなかったわね。実はトワルズ家の商会長はカイドおじいちゃんなの」
ええ!!!!
トワルズ家って… 王家御用達商人の…
ホテルや旅館、化粧品で有名な… 大商会じゃん…
「今日は私の実家に泊まるのよ。
今まではお父さんが避けてきたんだけど、さすがに今日は。
ね~シトラス。」
「避けてきたわけではない! 立派な御仁だあのお方は。
だが貴族が嫌いと公言しているあのお方のお屋敷に四大公爵家である我々が出入りする
のも問題があると思ってだな…」
「はいはい。 要するにシトラスはカイドおじいちゃんが苦手なのよ。」
知らなかった。
未だにお母さんの兄にしか見えないカイドおじいちゃんがそんな傑物だったなんて…
ということはマリアナおばあちゃんも? まさか…
「そういう訳では…」
「おっきい~ね。 今までの建物もおっきかったけどもっとおっきい建物がある~」
「そうだ。よく見ているな、偉いぞ。
王都を中心に円周上に高い建物が並ぶ。中心に近づけば近づくほど税は高くなり建物も高くなる。 4層ぐらいに分かれていてな。
一層目が貴族の住む層。
貴族と言っても大きな力をもつ我ら四大貴族の屋敷。
そして二層目に軍務そして内政に関わる者たち。
そして三層目に豪商、王都においても大きな財力を持つ商人たちの住処だ。
そして最後が軍の駐屯地だな。」
「そして私の実家のトワルズ家はその三層目にあるの。」
三層目って… あの高い屋敷の中?
あの家紋は…
「見えた? そう、あれが私の実家よ。」
「迎えが来たようだな」
「お帰りなさいませ。マリアお嬢様。カイド様・ナラリア様がお待ちです。」
「タニア!! 久しぶりね!! 元気だった?」
「御覧の通り壮健です。お嬢様。早く行きますよ。」
あれ? 執事だよな?
どこか冷たいような…?
「久しぶりなのにツンデレは変わらないのね~」
「着きましたよ」
遠くか見たときはわからなかったけど、入り口は木造建築なのか
この木が組み合わさった建築はなんて言うんだっけ…
「ありがとうタニア。」
「あなたを案内した訳ではありません害虫。」
え? 害虫? 父さん公爵家当主なのに…?
へこんでるし…
「アハハ! 相変わらずシトラスには辛辣ねタニア。」
「おお!! よく来たなマリア! アトラス! アリア!
可愛いなあ 相変わらず」
そういうカイドおじいちゃんもはたからは二十歳にしか見えないのに五十歳を超えているのだから驚きだ。
鮮やかな金色の髪に白い肌も相まってまだ十代だと言われても納得がいく。
「うるさいわよ。あなたは。マリア達は旅で疲れているんだから早く休ませてあげないと。あら、アトラスは大きくなったわね~」
「そうよ、お父さん。マリアもさっきまでうとうとしてたんだから。」
「そうだな。さっそくだが部屋に案内しよう。」
透明な球体? あの上向きの三角ボタンは… 魔道昇降機?
でも透明で丸い?
「すご~い。 丸いのに真っすぐ立ってる! どうして?」
「これはね、カイドおじいちゃんが発見した新しい無属性魔術の応用よ」
「搭乗者の魔力を動力として、この魔道昇降機の内部だけ空間を力のかかっている方向に少し固定するんだ。」
魔力の向き…?
「それまでは放射上に広がると考えられていた魔力の向きを発見したのよ。
そしてその向きが人体に及ぼす影響もね。」
「生活に役立つ魔道具を作ろうとしたんだがな… 」
生活に役立つ以外の使用方法?
あ…確かに、これまで放射状に広がるとされていた魔術に方向を持たせることができれば
攻撃魔術にも応用できそうだな…
「さて、着いたな。ここが…」
「おお、やっと来たなお前たち!! 遅いぞ!!」
「そうだぞ! 全く!! おお、アトラス少しだけ大きくなったか!!
まあ… 俺と比べれば、まだまだだがな。 ハッハッハ!!!」
はあ… 一人でさえ… 何というか
二人そろうと本当に… うるさい。
「お腹が減っただろう。 明日は早いんだ。
ご飯にして明日に備えよう。」
「ぬ! カイド! 久しぶりだというのに!!」
「そうだぞ! 俺たちは久しぶりなんだ!」
「この賑やかな人たちはほおっておいてご飯を食べましょう」
「マリア! お主まで!!」
「何か?」
「「何でもありません!!!」」
Sランク冒険者とAランク冒険者が敬礼…
外では止めてくれよ…