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第41話 教科書

 追試までの1週間、俺はつきっきりで太郎に勉強を教えた。


 今までの借りを返すかのように。


「これなにこれ?


 なんでこんなことが起きるの?!」


「これはね、ここがこうなってー」




 太郎は基礎的なところから抜け落ちていた。


 決定的に演習不足でもあった。


「もー、なんでこうなる前にもっと早く質問しに行かなかったの?」


「すみません……」


「っていうかどうやって勉強してたの?」


「どうやってって……


 ちゃんと教科書読んだよ?」


「……あとは?」


「あとって?」


「もしかして教科書読んだだけ?」


「?


 そうだけど?」


「そりゃできないわー!


 逆によく赤点4個で済んだな!」


 これからはもっと前もって一緒に勉強しよう。


「そもそも僕らはアイドルになりたいだけなのになんで勉強なんか……」


 太郎が不貞腐れたようにそう呟く。


 あぁ、俺もそれ、思ったことあるんだ。


「太郎、デストロイさんは現代日本社会の常識を知らない俺たちがいつの日か、日の目を見た時、恥をかかないようにって考えてくれたんじゃないか?


 それに……」


 俺はかぐや姫の瞳に映った自分の姿を思い出した。


「かぐや姫の……」


「かぐや姫の?」


 言いかけて恥ずかしくなった。


「あー、じゃなくて。


 今のアイドル業界、勉強できた方が重宝されるらしいよ?」


「そうなのか!」


 太郎が納得した様子でもう一度机に向かった。

 



 勉強の先生は俺、アイドルの練習の先生は太郎。


 明確に役割分担ができた。




「よし行ってこい!」


 俺は太郎を送り出した。


 なんだかこっちまで緊張してきた。


「行ってきまーす」


 参考書片手に歩き出す、太郎の背中を見送った。

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