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第29話 勉強

「ただいまー」



ドサッ


重量感満載の紙袋を床に置く。


「はーっ。」


「やっと着いた。」


「重かった〜。」


俺と浦島さんは同時に倒れ込んだ。


「これだけ揃えればなんとかなるだろう。」


参考書は全て浦島さんが選んでくれた。


「さて、今日はもうご飯を食べて寝るとするか。」


その言葉で我に返り、俺は立ち上がった。


紙袋に入った参考書を数冊ずつ取り出して本棚に詰めていく。





小さめの本棚はすぐにいっぱいになった。


「浦島さん、何から始めればいいですか?」


浦島さんはやっと体を起こして本棚から一冊の参考書を取り出した。


「小学校で習うひらがなについての本だ。


 これが読めなければこの先進むに進めない。」


「ありがとうございます!」


まずはひらがな、っと。


俺は浦島さんから受け取った本を開いた。


するとさっきまで気怠そうだった浦島さんが、ひらがなを一文字ずつ読んでくれた。


その文字を指でなぞる度に自分が賢くなっていく気がした。

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