第24話 初心者
俺たちはひとまず各々の部屋に分かれることになった。
『ピンポンパンポーン
こちらは2032年オペレーションシステムです。
2032年初心者の方の為に、2032年を生き延びるための知恵をお伝えします。』
「えっ誰!?どこ!?」
『落ち着いてください。
目の前のテーブルの上に四角い黒いものがあるかと思います。
そちらはスマートフォンと言います。
私は今、このスマートフォンからご案内させていただいております。』
俺はそのスマートフォンと呼ばれるものを手に取った。
本当にここから音がしている。
『2032年はスマートフォン、通称スマホがあれば基本的になんでもできます。
ですので常に持ち歩き、かつ絶対になくしてはいけません。
洗濯機・エアコン・電気・お風呂など、殆どの家電はこのスマホ一台あれば使いこなすことができます。
冷蔵庫の中身なんかもわかったりします。
それではまず、洗濯機についてご説明します。』
「ぎゃー!」
隣の部屋から浦島さんの叫び声が聞こえてきた。
俺は慌てて隣の部屋に駆け込んだ。
ジャージャーザーッ
ぴちゃ
「冷たっ」
辺り一面水浸し、そして蛇口から水が噴水のように噴き出していた。
「どうしたんですか?!」
浦島さんがはにかみながら振り返る。
「ボタン、押してみたくなっちゃって。」
浦島さんはなんとか手で水の勢いを抑えようとしている。
「せっかくオペレーションシステムがあったのに。
なんで聞いてからにしないんですか。」
なんとか二人で無事水を止めることができた。
俺と浦島さんで部屋にあったタオルで床を拭く。
「浦島さん何やってるんですかもう。」
「ごめん、好奇心旺盛で。」
「これからは衝動的に動くのは勘弁してくださいね。」
「いやでもそれがなければ今君はここにはいないよ。」
俺は何も言い返せなかった。




