第七話 ~旅立ちその1~
一か月が過ぎたある日のこと、二人はおじいさんに呼び出されるのであった...
「おじいちゃん!きたよ~!」
「僕たちに用があると聞きました。用とは何でしょうか。」
「いや、そうかしこまらんでもよい、今日呼んだ理由は、そろそろロトスに行ってみてはどうかと思ってのう。」
「もうですか? 確かに約束した一か月は過ぎましたけど、まだまだ教わりたいこともたくさんあります。もう少しだけでも教えてくれないでしょうか。」
「そうもいかん、もともとこの村にはけがが治るまで、という条件で居させてもらっておるんじゃ。それに、おぬしらは学校できちんと教わったほうが良い。ガウルもシルンも、この一か月間でかなり魔法を扱えるようになったしのう。」
そう、ガウルは火、岩、光、闇、魔装、の5種を鉄級まで、シルンはすべて鉄級に加えて、氷、風、光、治癒、に関しては、銅級まで習得したのだ。
この時ガウルは7歳で、シルンは6歳、同年代で魔法学校に通っている子の中でも、すべて鉄級まで扱える子はごくわずかだという。
「...そうですか、それなら学校に行きます。」
「うむ、それが良い。そしてもし、黄金級魔法まで扱えるようになったら、国お抱えの魔法使いになれる、じゃから、ひとまずはそれを目指してみい。」
と、はにかみながら、老人は言った。
そこからは、とんとん拍子で物事が進んでいった。
老人は、身支度を済ませ、推薦状を書いて二人に渡した。「これを校長に渡せば入学させてもらえるじゃろう。」
とのこと。
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そして、別れと出発の時が訪れたのであった...