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第三話 ~謎の老人~

その老人が村に来たのは、よく晴れた日の夕方であった。


最初、村の人たちは少し警戒していた。

何の前触れもなくいきなり来たのだから当然である。


しかしすぐに、老人と村人達は仲良くなった。


話を聞くと、老人はロトスの街からやってきたらしく、このまま旅をするそうだ。

だが、年のせいもあって足を痛めてしまったようで、この村へ寄ったという。


老人は少しこの村に滞在する代わりに、子供たちに魔法を教えてくれるという。さらに、

「わしも昔は凄腕の魔法使いじゃった、もしこの村に才能のある子が居たら、ロトスの魔法学校への推薦状でもかいてやろう。」

との事らしい。


普通、魔法使いになるためには、幼少期から訓練をしなければいけない。

もちろん田舎の村の子供たちには縁のない話だ。

事実、魔法学校に通う生徒のほとんどは、貴族や商人、王族などの街に住んでいる家の出身である。


ガウルやシルンもこの村の一員として、一生を過ごすはずであった。

だが、人生の分岐点というものは突然現れるのである。


「ねぇねぇガウ君、今村に魔法使いのおじいちゃんが来てて、魔法を教えてくれるんだって!私たちもおそわりにいこうよぉ!」

「いいけど、魔法を使えるのってほんの一握りらしいし、僕らには無理な気がするけど。」


口ではそう言いながら、ガウルはワクワクしていた。

何しろガウルは生まれてから今まで、大体のことは出来ていたし何より、剣の腕だけで言えば、村で一番だ。


そう思い、ひそかに期待しながらシルンと一緒に老人のところへと向かった。





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「おじいさん、僕たちにも魔法を教えてくれませんか?」

「私もお爺さんみたいに使ってみたいの!」


二人は老人の所に着くと、そう言って頼んだ。


「もちろんいいぞ、この村にいる子は君たちで最後みたいじゃし。」


「村の子で、魔法を使えそうな子はいましたか?」


「いいや、誰一人才能がありそうな子はいなかった、当然といえば当然じゃろう。なにせ町の子供達でも魔法学校に通えるくらいの子はごく僅かじゃ。」


やはり予想通り魔法を扱える子はなかなかいないらしい。

そう思いつつ、話を聞いた。


「いいか、この世界の魔法には、強さのランクがあるんじゃ。」

「下から、鉄級 銅級 銀級 黄金級 白金級 金剛級の6種類に分けられておる。」


「まず君たちに教えるのは、銅級魔法からじゃ。」

「魔法を使うにはな、身体の中に流れている魔力を、使いたい魔法になるようにイメージするんじゃ。 どれ、やってみい。」


―かなり大雑把な説明だな。


そう思いつつも、言われた通りにイメージする。


想像するのは、火の球、太陽のような…


すると、ガウルの手の平に卵くらいの火球が出来た。


「おぉ!1発で成功するとは大したもんじゃ!」


それを聞いて、俺には魔法の才能まであるのか♪︎

なんて考えていた。


次の瞬間までは……

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