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怪談百物語  作者: 安城朱理
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第九十七夜 背中

 高層ビルの立ち並ぶオフィス街で働くUさんはこんな体験をしたという。

 Uさんはある日夜遅くまで残業をしていると、気付けば時刻は零時を回っていた。オフィスには自分しかいない。大きい会社であるため、他部署のオフィスにもまだ明かりが点いているため、きっと誰かが残っているのだろう。Uさんは仕事がひと段落付いたところで切り上げて、オフィスを後にしようとしたところだった。

 すると明かりも点いていない給湯室から水が流れている音が聞こえた。出しっぱなしになっているのだろうかと中の様子を見てみると、スーツを着た男性が手を洗っている背中が見えた。

「電気付けないんですか?」

 とUさんが話しかけてもその男は無心で手を洗っている。なんだか気味が悪くなってそのまま給湯室から出ようとすると、ぴたりと水の流れる音が止まった。

 Uさんが振り返ると給湯室には誰もいなかった。流しにはさっきまで水が流れていたような形跡を残して。


 翌日、その話を上司に話すと「夜になるとたまに出るんだよね。だからあんまり遅くまで残業しないようにね」と軽く言われた。今でも年に数回、その男を目撃したと報告されるという。


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