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怪談百物語  作者: 安城朱理
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第七十二夜 いいね

 女子高生のRさんはSNSで友人たちをフォローしている。そのつながりは親交の深いひとたちはもちろんのこと、一度しか会ったことのない顔見知り程度のひとたちや、一度も会ったことがないひとたちにまで及んでいる。しかし、そのSNSの特質上、フォローは承認制であり、アカウントは実名と顔写真の設定が求められるため、ある程度閉鎖的でまた平和的なコミュニティとなっていた。

 ある時、小学生の時に同級生だった友人のN子からフォローのリクエストが届いた。そのアカウントは確かにRさんの知っている名前だったし、アイコンが彼女の顔写真なのは間違いない。しかし、奇妙なのはその写真が『今』ではなく『小学生の頃』のものということ。

「それじゃあ、誰だかわからないでしょ。私はわかるけどさ」

 確かに明るくてひょうきんな性格だったN子ならやりかねない。Rさんは懐かしさもあって、久しぶりの交流に胸が躍った。

 フォローを承認して、ふたりは小学校の卒業式以来の再会をそこで果たした。しかし、N子の投稿はひとつもされていないし、フォローしているのはRさんだけだった。きっと作り立てなのだろう。Rさんはひとまず、『フォローありがとう。久しぶりだね!』とメッセージを送り彼女の投稿を待つことにした。

 しかし、いつまで経ってもN子の投稿がタイムラインに載ることはなく、Rさんもそれには特に気にも留めていなかった。

 しばらくして、同じ小学校の仲間内でプチ同窓会をしようということになった。SNSではそんなやりとりで盛り上がる中、どうやらN子だけが誘われていないようだった。みんなとも仲が良かったしN子も誘ってあげようと話題に挙げると、友人のひとりがこんなメッセージを投稿した。

「N子は二年前に事故で死んだよ……」


 同窓会は楽しくて懐かしいものだった。普段はSNS上で繋がっているものの、実際に面と向かって会話をするのは久しぶりだったからだ。

 出席者にはN子も、遺影という形で参加した。これで少しでも同じ気持ちを味わってくれたら……そんな思いでみんなと写真を撮った。

 Rさんは思い出にその写真をSNSに投稿した。

『だいすきな仲間たちと、ずっと一緒に』という一文を添えて。

 すると、N子さんのアカウントから『いいね』がついた。


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