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怪談百物語  作者: 安城朱理
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第六十一夜 点呼

 無意識というのは恐ろしく、時としてこの世ならざるものとも接触している場合がある。

 中学校の教師であるUさんは、受け持つクラスの子たちの点呼を行っていた。それは毎朝、ホームルームで半ば作業的に行われていて、Uさんが三十三人いる生徒の名前を順番に呼び、それに生徒が返事し、出席簿の名前の横にある空欄にチェックを入れていくというものである。

 名前を呼び、生徒が反応する。そうしてチェックを入れる……ちょうど三十三人目の子の出席を取り終えたところで、全員の出席を確認した。

「よし、全員いるな?」

 Uさんが顔を上げると、教室の中は空の机が並んでいるだけで、そこには誰一人としていなかった。気が付くと、電気すらも付いていない。

「あれ? 今日は日曜日じゃないか……俺何やってるんだ」

 そう思い、自分のぼんやりとしたミスを情けなく感じながら教室を後にする。

 ふと違和感を覚えて立ち止まる。出席簿を開いて、自分のつけたチェックマークを眺める。これほどまでにチェックをつける前に、気付かないものだろうか……? 果たして、自分は誰の出席を取っていたのだろう? 振り返ったその教室には無人のはずなのに、何かがいるような気がして全身が震えだす。

 Uさんは急に恐ろしくなってすぐに学校から飛び出した。

 翌日、月曜日の朝のホームルームの時には何事もなく、元気な生徒たちの出席を取ることができた。それ以来、Uさんは返事をする生徒の顔をひとりひとり見て出席を取るようになった。


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