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怪談百物語  作者: 安城朱理
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第六夜 見ている

 私がこの怪談集を編集している間に起きた出来事である。

もうすぐ日付が変わるころ、私は部屋の電気を消し、ノートパソコンの手元を照らす用の小さなスタンドライトだけで作業をしていた。液晶の反射で、画面と手元以外はより濃い暗闇を映している。ほかに何も目に映らないため集中力が増す。私にとってはこの環境こそが一番作業がはかどるのである。

 ふと、携帯電話の通知音が鳴り目を遣ったが、画面には何も通知されていなかった。何かしらのシステムの不具合だろう。私はそう思って特に気にしなかった。

 午前二時を過ぎたころだろうか、この内容のない通知がもう一度起こった。なんだか気味が悪くなったので休憩を挟もうと、一度作業を中断しパソコンの画面を閉じた瞬間、目の前にライトに照らされた男の顔がはっきりと映り込んだ。真っ白い肌に陰影がはっきりとしている顔立ち、何を語りかけるわけでもなくまったく感情のない表情で私を見つめていたのである。私は思わず声を上げ、恐ろしさのあまり目を瞑ってしまったが、次に目を開けたときにはそれは跡形もなく消え去っていた。

 それからしばらくは携帯電話の通知が来るたびにその顔を思い出してしまうようになった。


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