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怪談百物語  作者: 安城朱理
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第三十三夜 首がない

 Yさんが何気なく散歩していると、向こうから綺麗な顔立ちをした若い女性が歩いてきた。遠目からその美しさに見惚れていると、急にその首が消えてしまった。

「うわ!」

 Yさんは見てはいけないものを見てしまったと思い、その女性から顔をそらしながらすれ違った。コツコツ。視界の端に女性の足元を飾る白いハイヒールが見えた。

「幽霊にもちゃんと足があるんだな」

 と、そんなことを思っていると、コツッ、ハイヒールの靴音が止まった。背後では視線を感じる。Yさんはゾッとする気持ちを抑えながら、勇気を奮って振り返った。

 すると、女性はこちらを見ている。

 しかし、女性の顔はきちんと首とつながっている。さきほど見たのと同じように綺麗な顔立ちをしているが、心なしかその表情は恐怖でひきつってしまっている。

 ふたりはしばらくお互いの顔を見合っていた。

「あの、何か……?」

 Yさんは恐る恐る訊ねてみた。すると、女性は一呼吸おいてからゆっくりと言った。

「いえ、首が……すれ違う時にあなたの首が急に消えてしまったものですから」

 どうやらふたりは同じ体験をしていたらしい。


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