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怪談百物語  作者: 安城朱理
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第三十夜 シャワー室

 このレジャー施設ではこんな話もあったという。


 Hさんの上司にあたるYさんは始業前点検で各設備を見て回っていた。

 一通り確認し事務所に戻ると、シャワー室と書かれたテープの上のランプが点いていることに気付いた。事務所には施設管理用の配電盤があり、各水道部が開放している状態であれば赤いランプが点くようになっている。しかし、Yさんが先ほど点検を終えたときにはどこにも水が流れているポイントはなかったはずだ。今は始業前、出勤している社員はほかにもちらほらいるが、鍵は自分しか持っていない。

「見落としか?」

 Yさんは不思議に思いながらランプの点いているシャワー室に向かうと、確かに一台だけシャワーが全開に開放している。水が大きな音を立ててしぶきをあげていた。

「こんなに大きな音が出ていたら気づくものだが……」

 ハンドルを締めてシャワーを止める。水が出なくなったのを確認してから再び事務所に戻ろうとしたときだった。

 シャアアアアア――――

 先ほど止めたはずのシャワーがひとりでに流れ始めた。しかもただ一直線に流れ落ちているのではなく、途中で何かにぶつかって滴り落ちるような、まるで誰かがシャワーを浴びているような、そんな音がするのである。

 Yさんはおそるおそるそのシャワーを再び確認すると、そこには誰もいなかった。


 HさんはYさんからそんな話を聞かされた。しかし、そのレジャー施設は去年の八月で経営不振で閉演してしまった。それがそこに棲みつく幽霊の仕業かどうかはわからないものの、その跡地は今では心霊スポットとして有名となっている。


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