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怪談百物語  作者: 安城朱理
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第二十七夜 影

 このマンションについてもうひとつ。四階に住む住人のEさんに話を聞くことができた。


 とある冬の日、Eさんが夜中にコンビニに出かけようと玄関のドアを開けると、通路には無数の人型の影が立ち並んでいた。通路は電灯が点いているためにはっきりと形を捉えることができるはずだが、その影は輪郭がぼんやりとしていて境がなく、その内部はどの角度から見ても暗黒であった。

 影はゆっくりと通路を歩いていき、突き当りの非常階段の扉をすり抜けて消えていく。Eさんはそれをしばらくずっと見ていたという。


 取材の途中で、Eさんは笑いながらこう語った。

「もう十三年も住んでいるとこんなことは茶飯事ですよ。この奇妙な現象のせいで長く棲みつくようなひとはなかなかいないけど、引っ越した後の空になった隣の部屋から生活音がすることにも慣れました。ええ、日常ですよ。私は引っ越さないのかって? いやあ、なにせ家賃が安いですからねえ」


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