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怪談百物語  作者: 安城朱理
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第十八夜 いいところだったのに

 Nさんはある冬の夜更けに部屋を暗くして、レンタルしてきたビデオを見ていた。ずっと楽しみにしていた連続ドラマの新作だ。翌日は仕事が休みだったため、画面にかじりつくように見入っていた。

 すると、自分しかいないはずの部屋の中でうっすらと人の気配がする。ぼんやりとした感覚だ。しかし、急に空気が変わったようにそこには目には見えない違和感というものがある気がする。

 Nさんは気になってビデオを一時停止し、部屋の明かりをつけたが、そこには自分ひとりが部屋の真ん中で佇んでいるだけで特別に変わった様子はない。

 気のせいだろうか?

 Nさんは再び電気を消して、ビデオを再生した。

 ストーリーはだんだんと盛り上がってくる。クライマックスという場面になって、再び人の気配がしたのである。いったいなんだ、この気味の悪い感覚は……。

 ビデオに集中できなくなったNさんは再生を止め、続きは翌日に見ることにして画面の電源を落とした。真っ暗になった瞬間、Nさんの耳元で

「いいところだったのに……」

 そう寂しそうに呟く男の声がした。

 Nさんは暗い部屋の中を手探りで駆け抜けて外に出た。その日は近くの友人の部屋に泊めてもらって、ビデオの延滞になってもしばらく部屋に入る気にはなれなかったという。


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