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怪談百物語  作者: 安城朱理
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第十六夜 景品

 NさんがゲームセンターのUFOキャッチャーで遊んでいたときのこと。今日入荷された大好きなアニメの限定フィギュアがどうしても欲しくて、何度も挑戦していた。しかし、景品の箱は穴に向かって行ったり来たりを繰り返すばかりで、なかなか獲得には至らない。

 何度も千円札を両替して再挑戦したところ、アームは景品の箱の隅を強くすくい、大きく向きを変えた。なんだかコツをつかんだかもしれない! と希望の兆しを感じ、Nさんが再びコインを投入した時、

「ゴトン」

 受け取り口に何かが落下する音がした。しかし、狙っている景品は目の前でいまだ鎮座したままである。そのひとつだけしかセットされていなかった。一体なにが落ちたのだろうと、Nさんが受け取り口を覗き込むと、そこには男の生首がこちらを凝視して横たわっていた。目は大きく見開き、口を歪ませて苦悶の表情を湛えている。泥と乾いた血が混ざったような赤黒いシミが顔じゅうを汚している。

「うわあああ」

 Nさんは思わず大声をあげてしまった。すると、ちょうど近くにいたスタッフが騒ぎを聞きつけてやってきた。

「大丈夫ですか?」

「すみません! あの、そこに男の首が……」

「男の首?」

 スタッフがUFOキャッチャーの受け取り口を覗き込んだ時には、すでにそれは跡形もなく消え去っていた。

 Nさんは恐ろしさのあまりゲームセンターから逃げるように後にした。あの男の顔がいまだに脳裏にこびりついて離れないという。

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