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秋、みのり〜森ト友ヨ⑩〜
夕方だね。
君は秋の終わりが迫る今の日に山へ来ていて、長き続く坂を上りながら眺めるを見てしまいました。汗をたくさん掻いたことでしょう。
僕は森を守る者として、立ち入りが禁じられた所を歩いています。味覚を求め一線を越える奴が跡を断たなくて、権限の行使を強いられました。
苦労はあるけど楽しみもあって、季節の移ろいや彩りを目にしてきました。空を隠していた葉っぱは落ちていて、仰げば茜に染まるのです。
第四百二十七番のテーマは、自然です。第三十番=森ト友ヨ①より創歌しました。定型詩ながらも良くと思いました。独りで過ごす様をも歌います。
「枯れ葉が揺れし秋山に
登り見た瞳には夕焼よ
顔も光を受けて火照り
森の友は徐かに岩座る
吹き来て染みり肌寒に
寄る辺の侘しさ故郷よ
仰ぎ見て濃ゆる藍色で
森の友は煌めく星探る
暮れ行き経つと闇空に
白く淡く浮かぶ望月よ
丸め蒸た味なき団子を
森の友は独りで噛締る」
……勇気を出して、本当に良かった。最後まで聴いてくれて、ありがとう。
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