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秋、みのり〜葉ト散ル 〜
夕方だね。
君と一緒に帰った日々が懐かしくなって、手繋ぎ歩いた堤防へと足を向けました。卒業後は滅多に通らなくなって、久し振りさを抱きました。
僕は並木の楓が風吹かれて、足元に落ちる中を独り行きます。光の暖かさを受けていて、隣に居ぬ好きな人はどうしてるかなとしました。
恋人から友達へと戻りして、何処か諦め切れない思いがあります。夢や幻を目にするのは姿を探していて、再びと願いが在ることによりました。
第四百十一番のテーマは、楓です。熱を持つように赤く燃える様はとても美しくて、散る切なきが心を揺らします。胸の内を書き留め歌います。
「家へ帰る途中で
少し寄り道をする
気の向くままに
思い出の場所へと
楓が舞う堤防の上
君と繋ぎ歩いてた
茜の空の眩しさよ
今は隣り姿もない
恋も散り風と去り
僕の手に残らない
耳に響く声がした
遠い昔の夢幻見る」
……勇気を出して、本当に良かった。最後まで聴いてくれて、ありがとう。
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