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秋、みのり〜郷ノ赤ネ 〜
夕方だね。
君は京都の秋を観光したことがありますか。時間の無さに行けなくも朝や夕にテレビニュースで、紅葉の映像を目にしたでしょう。
僕は清水の舞台や五重の塔が一望できる高台に上りして、正面から赤き光を受けて居ました。建造物は影となって、魅せるのです。
写真を撮りたくなるほど古き良さを感じられていて、時代が変わろうとも風景は残り続けていました。国宝が焼失なぞ起きてはなりません。
第四百十番のテーマは、京都と楓です。茜に染まる頃には深みを増して、感動や静寂を抱きます。記憶を詞に描いて、声清らかと歌います。
「真っ赤な楓の葉が揺れて
覗き見たるは水の舞い
高い崖のうえ張り出され
古の都を渡り見る
吹き下す息に葉が舞いて
仰ぎ追うたり塔の影
夕の陽を背に焼かれるを
私は心に留めてた
月が渡る橋に葉が飛んで
虫の音と共に秋の空
烏と鳴きては山へ行く
夜の訪れ静けさよ」
……勇気を出して、本当に良かった。最後まで聴いてくれて、ありがとう。
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