秋、みのり〜風ノ想イ②〜
夕方だね。
君は冷たくも暖かさのある風に吹かれして、茜の空を上に何を思うでしょうか。今日も疲れたなぁとして、深く息を吐くことでしょう。
僕は過ぎ去りし日を一つまた一つ映していて、赤い光の中に夢を浮かべました。両親は友達は元気で居るのかなって、心を馳せてゆきます。
故郷を離れ月日が経ちて、再び秋を迎えたことにより寂しさを抱きます。気軽に帰れぬけれど帰りたくて、目が揺ると潤んでしまいました。
第四百八番のテーマは、風です。第六番=風ノ想イ①より創歌しました。幼少の頃に見た景色を思い出しながら紡ぎゆきます。貴方へ届けと乗せる如く歌います。
「風よ花の乱れた日は
あんなに 美しく 笑うのに
風よ秋の吹く頃には
離れた 彼の地へと想い馳せ
僕が育ちし家の在る
田舎は変わってないのかなぁ
今に帰らん我が郷へ
縁の 結わえり 思い出の地
年を重ねて巣立まで
幼き 過ごした あの場所へ
風よ声のせ届けてね
空を見上げては 母なる 人
いつかいつかと 必ずと
会いゆく貴方へと贈る歌
風よ緑の揺れた日は
あんなに 楽しくて遊ぶのに
風よ秋の吹く頃には
恋しく 彼の地へと筆を執る
雲は流れて留まらぬ
稲も刈られゆき 枯野なれり
庭の枝さえ寂れたか
道で吹かれてる 落葉が 音
夕に光が燃やすとき
思い出す 景色 あの場所へ
風よ文のせ渡してね
遠く住まうのは 愛しき 人
いつかいつかと 必ずと
会いゆく貴方へと贈る歌」
……勇気を出して、本当に良かった。最後まで聴いてくれて、ありがとう。
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