398/455
秋、みのり〜雲ノ様ヲ 〜
昼下がりだね。
君は今日も空を見上げて、天気の良さを感じているでしょう。季節は秋だから突然に降ることもあって、本当に変わり易いですね。
僕は白き雲が強き風を受けて、切り裂かれるを目にしています。絵を描く時に筆を払う如くで、時が経つと翼みたいに思えました。
視線の先に在るそれは煌めきを放っていて、生命を持つかのようです。一時だけ幻が映されたことで、予言か意味を考えてみたほどでした。
第三百九十八番のテーマは、羊雲と翼です。景色を忘れぬためと書き残して、楽の調べを定め口にします。体験を詞に歌います。
「千切れた綿の空の雲
翼の様に広がりて
白い鳥が飛ぶ如く
私の頭の上を越え
雄雄しき羽と光の粉
見て居る者の目を奪い
青い風と流れ行く
私を旅の供に連れて
日暮れて燃る色の雲
昼と違い寂しげに
稲も手を振り然様なら
陰る山の奥へ溶ける」
……勇気を出して、本当に良かった。最後まで聴いてくれて、ありがとう。
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆




