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秋、みのり〜葉ハ赤ク 〜
午後一時だね。
君は秋の今に山へ行って、木の葉の赤さなどを目にしたことでしょう。吹き下ろす寒さにより枯れゆきながら人の心に残していました。
僕は秋といえばそれを初めに思い浮かべるほどで、散り寂れする様は忘れられません。京都は特に時代を感じさせて、古き良きを教わりました。
橋の上で川を見れば楓などによって、燃える如く熱を放っています。一枚一枚と空から舞い降りて、水面で離れ寄りつつ流るるのです。
第三百九十四番のテーマは、紅葉です。夕方には沈む太陽の光が辺りを染めて、最後の美しさを覚えました。貴方に景色を届けるべく歌います。
「山を尋ねて紅葉狩り
私も見ては楽しんだ
風に吹かれ寒かろも
手の形した楓の葉は
赤く赤くと煌めくよ
枝を離れて紅葉川に
岸に寄るも流れゆく
独り寂しく揺るだけ
滝と落ちて軽やかに
秋の空たび紅葉舞う
麓に街へと運ばれて
人に報せた訪れを…」
……勇気を出して、本当に良かった。最後まで聴いてくれて、ありがとう。
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