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夏、はづき〜川デ流ス 〜
こんばんわ。
君も夏の涼しき夜に川へ訪れて、手に灯りを持っていました。御盆は最後の日に見送るため集まりして、人の数だけ火が揺らめいていました。
僕は彼の者が隣に居ると信じて、再び別れることを寂しく思います。時間になると一つずつ浮かべられて、水面の黒きは鏡のように映します。
次々と流れて行く様子は静かなもので、光景は美しさだけじゃなく温かさも感じられました。闇が戻るまで、目にしたこと忘れはしません。
第三百五十七番のテーマは、御盆です。先祖様や大切な者の魂を乗せて遠き所へと運ぶのでした。涙の思いを詞に込めて、悲しく歌います。
「さようなら 時を超えて
さようなら 別れだね
川で流した 灯籠のよう
奥へ奥へに 離れてく
ゆらゆらり 炎が揺れて
ゆらゆらり 仄かだね
闇に点した 灯籠のよう
静か静かに 遠ざかる
さやさやと 風も吹いて
さやさやと 寂しげね
私が送った 灯籠のよう
思い思いに 旅をする」
……勇気を出して、本当に良かった。最後まで聴いてくれて、ありがとう。
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