夏、はづき〜森ト友ヨ⑦〜
午後三時だね。
君は今どこから雨を眺めていて、胸の内にどんな思いを抱えていますか。朝からずっと降り続いていて、晴れ間が恋しくなりませんか。
僕は暇なので窓に張り付いて、腕を枕に顎を乗せていました。耳にする音はラジオのノイズみたいで、脳を震わせ眠たさを増してくれるのです。
観察のつもりはなくも観察によって、木の葉を伝い落ちる動きなど覚えてしまいました。長い時を掛けて目にしたことで、焼き付いています。
第二百八十七番のテーマは、自然です。第三十番=森ト友ヨ①より創歌しました。今作も繋がりで、夏季は雨の日を描きました。天気の悪さの中でも美しさはあると歌います。
「降り続いている雨粒に
濡らされ垂れる緑葉よ
寂しげに聴こる雨音は
森の友に眠りを与えた
一つ一つ跳ねる水玉を
眺めては過ぎる暗雲よ
晴れ間に覗いた青空に
森の友は奪われ動いた
歩く道の傍に紫陽花が
煌めいて眩しく美しく
葉っぱに見つけ蝸牛を
森の友と感じる夏初め」
……勇気を出して、本当に良かった。最後まで聴いてくれて、ありがとう。
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