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夏、はづき〜絵ヲ囲ウ 〜
午前十時だね。
君は休日の今頃は何処か居て、疲れを癒すべく好きに過ごしているでしょう。仕事の忙しさから離れること、心身を整える目的が在ります。
僕は部屋の中で黙々と書き物に集中して、暇なぞ感じぬほどに時を掛けていました。区切りの良い所で一度と筆を置きて、空を見ています。
窓枠の周りの壁が黒さによって、風景が飾られた写真のように思えました。気付きを得たのはきっと、観察を意識していたからでしょう。
第二百六十一番のテーマは、窓と木枠です。自分の家の庭園などを囲むことで、錯覚させたりします。芸術に心奪われたと歌います。
「降り続いた 雨が止んで
見上げれば 青い空 続く
飛行機雲が 尾を引いて
何処までも 伸びて 行く
僕は部屋の 窓 越しに
凭れながら 眺めて 居る
外の景色は 枠のなかで
時間と共に 移ろう 絵よ」
……勇気を出して、本当に良かった。最後まで聴いてくれて、ありがとう。
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