無、しらね〜雨ノ音ハ 〜
午前十一時だね。
君の街でも雨が降っていて、窓の外を見れば木の葉から水が滴り落ちているでしょう。部屋の中が更に暗くなると、音が強くなりゆきます。
僕はそれを聞きながら本を読んだせいで、瞼が重さを感じました。集中力が弱まり体が揺れると、欠伸のちに目を閉じてしまいます。眠いです。
喩えばラジオのノイズのようで、耳にずっと残るほどに止みません。頭が動かなくなってウトウトしていると、跳ねる音がしたのです。
第二百三十六番のテーマは、雨です。空が曇り匂いがすれば今にも濡れ始めそうです。気持ちも下がりつつ抱いた思いを歌います。
「ぽつり ぽつり 雨の音
静かに 静かに 降っている
ぽつり ぽつり 涙の音
悲しく 寂しく 落ちてゆく
なぜか 想うの 胸の内
辛さと 恋しさ 遠き日よ
そっか ボクは 心の声
大切な 何かを 忘れていた
それは 記憶の 隅の底
封じた 開いた 意味がある
ひとつ ふたつ 水の波
誰かの 代わり 泣いている」
……勇気を出して、本当に良かった。最後まで聴いてくれて、ありがとう。
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