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無、しらね〜道ヲ歩ク 〜

 夕方だね。

 君と話をすることが楽しくて、遠いはずの家に着くのが早く感じました。普段は一人だから疲れによって、距離が伸びている気になるのです。

 僕は通い慣れた道を歩いて、空の色を目にしました。茜の美しさや灰の暗さなど、日ごとの変わりを憶えています。大地の草や花もです。

 誰かと一緒に帰るだけでこんなにも、輝いたり深まったりと違うものでしょうか。自分が錯覚する理由はたぶん、嬉しいからと思います。

 第百七十四番のテーマは、道歩きです。天気が良くても悪くても、行きや帰りに通っていると、浮かぶままに書きいまいちなるを歌います。


 「僕らは歩いている 道の 上で

  空が(くも)っていても 晴れの日も

  確かに踏みしめて 時に(はず)むよ

  普段は一人だけど 誰か()る時

  話に夢中になって 気付いた頃

  目的地へと着いた 早く感じた

  僕らは歩いている 明日も次も

  悲しい雨降る日も 何時(いつ)も前へ

  一歩一歩と進むよ 未来の光へ」


 ……勇気を出して、本当に良かった。最後まで聴いてくれて、ありがとう。


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