春、やよい〜蝶ノ夢ヲ 〜
こんばんわ。
君は不思議な夢を見たことがありますか。就寝前に読んだ本の影響で、無意識に知らない場所へ訪れて、言葉に難き体験をしたと憶えています。
僕は蝶の姿に変わっても疑いを抱かず、花の咲く畑の上をひらひらと楽しく舞いました。陽の光の眩しさに霧の輝きは、春の野の朝でした。
死を望んだことはあるけれど、虫なんかになりたいと願ったことはありません。気付かず受け入れていた事実を信じたくありません。
第百七十二番のテーマは、蝶です。甘い蜜の香に誘われるまま飛び巡っていたことを、忘れぬ内に書き残して怖さも覚えながら歌います。
「夜の深きし眠る中で 私は何処に居るのか
見渡す限り白い霧で 今立つ所が解らない
体がふわふわと軽く 空を浮かんでる感じ
誰の声がね聞こえた 此処へおいでと招く
少し少しと晴れてき 前に広がる花の畑よ
風が香りを遠き運ぶ 私も誘われ近づいた
赤や黄色と旅をする 今揺る歌は蝶の願い
冬を耐えて春を待つ 陽の暖かき光が差し
鳥が奏でる青き日に 花より花へ飛び周り
美しく舞う蜜を吸う 背中の羽の色はなに
朝に目覚め憶えてる 私が飛んだ見ぬ所よ
蝶となって蝶なのか 昨日も同じ夢だった
何を伝えるんだろう 体験を本に綴ってく」
……勇気を出して、本当に良かった。最後まで聴いてくれて、ありがとう。
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