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冬、かれる〜山ノ白キ 〜
おはよう。
君は朝のニュースで、山に登った者の死を知りましたか。冬の間は道も封じられるほど危なくて、考え無しに挑めば呑み込まれてしまいます。
僕はしっかりと準備した上で、一歩ずつ前へ進むのです。滑ったり転んだりせず、足を地に着けてゆっくりと歩きました。時間を掛けました。
声を聞いて道を外れないように気を付けつつ、命を繋ぐことの苦しさに負けず、頂きに立てた喜びは大きかったです。忘れられません。
第百四十三番のテーマは、山道です。決まりに従えば良い思い出を作れるも、逆らえば痛い目に逢うんだと伝えたく歌います。
「甘く見るなよ冬の山
不安な道ほど危くて
少しの油断が命取り
先急ぐ者へと物申す
夜降り雪解け道凍り
陰にて見えぬ所こそ
慎重に歩む事せねば
黒きし口に奪われる
道がう道を行く者は
焦らず適切に足運ぶ
知るだけ頭は命をも
失いて初めて遅悔む」
……勇気を出して、本当に良かった。最後まで聴いてくれて、ありがとう。
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