コント 「追放勇者のその後」
ゲラゲラコンテスト用投稿作品の第七作品目です。
ツッコミ 「昔々有るところに、勇者がおったそうな、彼はパーティーを結成してから半年した頃、仲間の戦士からセクハラの罪を咎められ、冒険者パーティーから追い出されたそうな。」
ボケ 「あの戦士の野郎、神官と魔法使いが若い女だからって簡単に話を信じやがって、あんなの只のスキンシップじゃねーか、こっちは偉大な勇者様だぞ?全く理不尽だよ。」
ツッコミ 「ククク…そこの勇者よ。」
ボケ 「誰だ貴様は。」
ツッコミ 「私か?私こそこの世界の闇を支配する魔王であるぞ。」
ボケ 「な、なんだってー!? くそ、この俺がソロになるのを待っていたのか?」
ツッコミ 「別に何人束になって掛かってこようと、私には勝てんよ、それよりもお前に話がある」
ボケ 「どうせろくでもない事だろうが、一応聞いてやる。」
ツッコミ 「ソロの癖にまだ虚勢を張るか、まあいい、私の仲間にならぬか?」
ボケ 「断る」
ツッコミ 「即答か?まあ最後まで話を聞け、私の仲間になればお前の望みは私が叶えてやろう、どうだ?悪い話ではないだろう?」
ボケ 「俺の望みを? 何でもいいのか?」
ツッコミ 「ああ、何が望みだ?」
ボケ 「フン、お前がかなえられるとは思わないが、そうだな…美少女を10人ぐらい侍らせて、あーんなことや、こーんなことをしたいと言ったら?」
ツッコミ 「そんなのでよいのか? 簡単だ、お前が仲間になるならば、だが。」
ボケ 「ふーん、じゃあ俺が旅先でアイテムを手に入れるために、他人の民家に勝手に入って壺やらタンスやら勝手に開けて漁るのは?」
ツッコミ 「う…まあ、その程度ならこちらが衛兵を抑えればよいだけだからな、無論可能だが。」
ボケ 「ほうほう!じゃあ俺が宿屋の露天風呂で湯あみしている女神官をコッソリ覗いている所を他の連中にばれないようにとかは?」
ツッコミ 「あ、ああ、出来るとも。」
ボケ 「そうかー!じゃあ仲間を集める酒場で冒険者を登録して、仲間にするとみせて連中から初期装備をはぎ取って売り払ったりしても、後で背後から襲撃されないように出来るんだな?」
ツッコミ 「おまえ、もしかして過去にそんなことをやったのか?」
ボケ 「例えばの話だよ、思っていても実行したりはしないよ、多分。」
ツッコミ 「多分て何だ!まあいい、他には何かないか?」
ボケ 「あとはそうだな、何でも開ける魔法の鍵を使って王宮の宝物個から宝箱を漁っても、後で衛兵に『まことの勇者なら、盗みなどせぬはずだ。』とか嫌味をい言わせたりしないようにとか~。」
ツッコミ 「おまえ、本当に勇者なのか? 盗賊とかじゃないのか?」
ボケ 「失礼な奴だな!これでもれっきとした勇者だぞ!」
ツッコミ 「今までの会話の中で勇者らしいセリフが無いんだが!?」
ボケ 「魔王に言われる筋合いはないんだが!? あ、もう一つあった」
ツッコミ 「なんだ一体? 今のところお前の評価は下賤な一般人だぞ?」
ボケ 「勇者だって言ってんだろ、まあいいや、こないだ女のダークエルフが襲い掛かってきたんで返り討ちにしたんだが、流石に命を奪うのは気が引けてな、ある事を条件に助けてやろうとしたら、幻惑魔法を使って逃げやがった。」
ツッコミ 「なんとなく想像できるが、何を要求したんだ?」
ボケ 「俺の下僕として、酒場でのお酌とか混浴風呂でのスキンシップとか色々なことをやってもらう、と言ったら逃げた。」
ツッコミ 「魔王の私が言うのもなんだが、外道だな。」
ボケ 「えー? 勇者として当然の権利だろ? 頭に来たから流星魔法でそいつの集落を滅ぼしてやった、悪はやっぱり倒さないとな。」
ツッコミ 「…お前の方がよっぽど外道な悪党だわ! もういい!お前のような奴は私が倒してくれる!」
ボケ 「あ? なんだ、やっぱり仲間にするってのは嘘だったのか! 良いだろう、返り討ちにしてやるぜ!」
ツッコミ 「こうして魔王との戦いに勝利した勇者は、英雄として後世まで語り継がれましたとさ、めでたしめでたし。」
ボケ 「正義は必ず勝つ!」
ツッコミ 「納得いかねー‼」
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