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ズレはじめた歯車

いつもありがとうございます!

今回から新章の学園祭編がスタートします!

「くっ……」

 エルとシンが目の前から姿を消し、マオは伸ばしていた左腕を虚しく下ろす。

「システムオフ」

(シン……絶対に俺が倒す)

 マオが怒りに震えた声で呟くと、創造されていた左腕は元の夢粉ゆめへと戻っていく。

(あの目の前から消える不自然な移動方法と、テレパシーのような意思疎通は、本当にランクS共通の能力なのか? もしかしたら、個体ごとに能力が違う?)

 マオは左方向へ振り向き、ユウキや晋二たちが立っている地点に向かって歩き出す。

「マオ」

 ユウキは涙ぐみながら、一歩前に出てマオの正面に立つ。

「その……ただいま」

 マオは照れ臭そうに笑った。

「うん、おかえり」

 ユウキは心からの笑顔でマオを迎えた。



 エルの夢図書館本部襲撃から1日後。


「失礼します」

 マオは夢図書館本部1階の研究施設に呼び出された。

「久しぶりだね」

 20人ほどの研究者がせわしなく研究機器の準備をしている最中さなか、1人の男性研究者がマオに近付いてくる。

「え!? 砂田先生?」

 神妙な面持ちだったマオは、夢図書館高等専門学校にいるはずの砂田を見て驚きを顔に出す。

「今日は、君の測定の為に召集されたんだ」

 マオの正面に立った砂田は、相変わらずの無表情と棒読みで答えた。

「ご迷惑をお掛けして、すみません」

 マオは申し訳なさそうに頭を下げる。

「気にしなくていいよ。教師として当然の事だ。それよりも、随分と雰囲気が変わったね」

 砂田は自分よりも身長が高くなったマオの、つま先から頭までを確認するように見た。

「これですか」

 マオは、薄く潰れた左袖を見ながら話した。

「私が言ったのは身長と髪の事だったが…………君が司書になってからの事と、狭間に入った事は、岸田から聞いているよ。勿論もちろん、左腕の事もね……瑠垣君には何時いつも驚かされる」

 砂田はマオの失った左腕を見て、若干言葉に詰まった。


「ゴホン!!」

 出入り口の前で話しているマオの後方から、咳払いが聞こえた。

「すみません」

 マオが慌てて振り返ると、仏頂面の竹宮が立っていた。

「総館長、どうぞ」

 マオが扉から横に避けると、竹宮は後方にいた築を研究施設内へ入れる。

「……」

 竹宮が築の後を追って入室すると、続いて岸田、雹丸、崩巌の3人の司書長が後に続いた。


「……失礼します」

「失礼致します」

 岸田たちが入室して間もなくしてから、ユウキと学子が扉を開けて中に入った。

「あれ、ユウキ? 松下さん?」

 マオは突然入ってきた2人を見て驚く。

「俺が呼んだ」

 骨折した左腕を三角巾で吊るしている岸田はマオに話し掛ける。

「岸田司書長がですか?」

「そうだ、お前の情報を班で共有した方が、今後の為に良いと思ってな。2人はエルとの戦闘で負傷した鈴木、立花、五木を代表して来てもらっている」

 マオの質問に対し、岸田は冷静に答えた。

「わかりました」

 マオは頷いた。

「席に座るぞ」

 岸田を先頭にユウキと学子の2人は、部屋の奥に並べてある長机に向かう。


「まず、昨日はご苦労だった。君がいなければ夢図書館本部は間違いなく、壊滅的な被害を受けていた」

 立っているマオから前方15m の位置に置かれた、長机の最前列に座る築が頭を下げる。

「だが、儂の命令を無視して、狭間に対し無茶な目標宣言をした事は、軽率な行動だった。今回は良い結果に結びついたから良かったが、もし狭間から出てこれなかったら、我々は貴重な戦力を失うところだった。反省をしなさい」

 築は表情を引き締めた。

「申し訳ありません」

 マオは真摯に受け止め頭を下げる。

「君は若いんだ、命を大切にしなさい」

 築は優しく笑った。

「はい」

 マオは、はっきりと返事をする。

「君を呼び出した件だが。この状況を見て察しが付いていると思うが、今日は君の能力測定をする。説明は砂田博士にしてもらおう」

 築は左隣に座っている砂田に話し掛ける。


「はい。本日は、具現タイプと結晶タイプそれぞれの創造スピードと圧縮率の測定及び、使用率の測定をします」

 砂田はA4サイズのファイルに挟まった書類をめくりながら話した。

「わかりました」

 マオは冷静に返事をして、胸ポケットから創造免許証を取り出そうとする。

「本日使用する装置は、圧縮率と創造スピードの正確な同時測定ができる。更に、使用率の測定までも可能にした最新型にして、夢図書館のデーターベースとリンクしているので、創造免許証を直接読み込ませる必要がないよ」

 砂田は、目の前に置いてあるノートパソコンを作業しながらマオの方を向いた。

「そうなんですか」

 マオは胸ポケットに入れた右手を下ろした。

「では、具現タイプの測定を始めるよ」

 砂田は42インチのディズプレイを起動させた。


 ディスプレイには日本刀、コルト・ガバメント、ハルバードが写し出された。

「……」

 マオは全てを瞬時に創造していく。

「創造スピードは0.001秒。圧縮率は95%」

 砂田はノートパソコンの画面を見て結果を告げる。

瞬間創造ソニックは資料を見て知っていたが、具現タイプで95%?!」

「これは、ますます興味深い」

 室内が騒めく。


「次に結晶タイプでの測定を行います」

 砂田が再びノートパソコンを操作するとディスプレイには、球体、細長い棒、円柱が写し出された。

「……」

 マオは先ほどと同様に全てを瞬時に創造する。

「創造スピードは0.001秒。圧縮率は100%」

 若干興奮したのか、結果を告げる砂田のトーンが上がっていた。

「昨日、映像とデータで確認したが、本当に具現タイプの人間が結晶タイプの創造を……しかも100%……」

「総館長と同じ100%の圧縮率……」

 あまりの衝撃に室内は騒めきを通り越し沈黙する。

「……」

 竹宮は厳しい表情をしていた。


「次に使用率の測定を行います」

 砂田は自分の顎を右手で触りながら話した。

「はい」

 マオは右手にロングブレードを創造した。

「何かを攻撃するつもりで、1回振ってもらえないかな?」

 砂田は棒読みで指示を出す。

「わかりました」

 マオはロングブレードを持つ右手を真横に振り抜く。

「?」

 画面を見た砂田は、珍しく動揺した様子で首を傾げる。

「もう1回、振ってもらえないかな?」

 砂田は何かをチェックするように、ノートパソコンを操作してから話した。

「? はい」

 マオは再びロングブレードを真横に振り抜く。

「?」

 砂田は再び首を傾げる。


「どうした?」

 岸田は砂田に問い掛ける。

「理由は分からないが、瑠垣君の使用率が消えている」

 砂田は眉間にシワを寄せた。

「ええ?」

「人間は使用率が無いのが当たり前だから、当然と言えば当然だけど。元々あった使用率が消える? こんな事が何故?」

 砂田の一言で室内が騒めく。

「なんだと?」

 岸田は目を細める。


「狭間の中で結晶タイプの創造を身につけ、具現タイプの圧縮率が90%を超え始めた頃から、俺の使用率は無くなりました。原因はわからないんです。すみません」

 マオはバツが悪そうに話した。

「そうなんだね。君の力は分からない事が多いからね。調べる事が私たち研究者の役目だから気にしなくていいよ」

 砂田は棒読みながらも優しく話した。


「以上で測定項目は全て終了です。質問等はありますか?」

「よいかな?」

 砂田の問い掛けに竹宮が立ち上がる。

「私は瑠垣君の左腕の事が気になる。この場で見せてもらえないかな?」

 竹宮は厳しい表情のまま話した。

「はい」

 マオはそう答えて、左腕をparadoxパラドックスが見えないように瞬時に創造した。

「おお、これでランクSと互角に戦ったのか。その左腕が何なのかを説明してもらいたい」

 竹宮は何かを探るような目つきで、マオに問い掛ける。

「はい。左腕をランクSと同様に武器として創造しました」

 マオは左腕を見ながら話した。

「おかしいな。今の説明ではランクSと同じなのは、その左腕だけだよね。なのに瑠垣君はエルに対して右腕でも攻撃していたし、全身がランクSと同じ身体能力になっていたように、私には見えたけどね」

(これは危険だ。瑠垣マオが夢獣ピエロなのか人間なのかを確かめなくては)

 竹宮の表情は、疑いを持ったものに変わった。

「たしかに、左腕を創造した当初は、その圧倒的な性能に体が付いて行く事ができませんでした。そこで、全ての細胞膜に夢粉ゆめを融合させ、左腕の創造をトリガーに全身を補強強化する事で、この問題を解決しました。俺は、この事を夢獣化ピエロかと名付けました」

 マオは平然と話した。


「!?」

(……そんな、マオの体が……私のせいだ)

 ユウキの肩がピクリと反応する。

「ユウちゃん?」

 学子は右隣に座るユウキを心配そうに見るが、ユウキはマオの方を向いたままだった。


「細胞膜と夢粉ゆめを融合させる? どうやって、そんな事を? 」

 竹宮は目を細める。

「血管から夢粉ゆめを流し込み、血管内に入った夢粉ゆめを操作して、全身の細胞に送り届けました」

 マオは真剣な表情で答える。

夢粉ゆめと細胞膜の融合を行った時期と、結晶タイプと90%以上具現タイプを身に付けた時期は一緒かい?」

 砂田がマオに問い掛ける。

「はい、ほぼ同時期です」

 マオは頷く。

「なるほど。それが体質の変化を起こし、使用率を失った原因である可能性が高いね」

 砂田は首を縦に細かく振る。


「俺も一つ気になっている事があるんだが、いいか?」

 岸田は右手を挙げる。

「はい」

 マオは岸田の顔を見る。

「その左腕はランクSと同じなんだろう、だったらエルが武装した時に何故、お前も武装しなかった? もしかしたら、倒せていたかもしれないんだぞ」

 立ち上がった岸田は、少し怒り気味に話した。

「その事なんですが、理由があります」

 マオは右手に持っているロングブレードを左手で掴もうとする。

「え!?」

 岸田とその場にいた全員が困惑する。

「武装しなかったんじゃないんです。実際には武装できなかったんです」

 ロングブレードはマオの左手をすり抜けて床に落ちた。

「理由は分かりませんが、武器として創造された物を装備しようとすると、さっきのようにすり抜けてしまいます」

 マオは冷静に答えた。

「そうだったのか、すまない」

 岸田は納得して席に座った。


「武装できなくてもこれは戦力になる。五体不満足な体に夢粉ゆめを流し込み細胞膜と融合させ、体の一部を創造させるだけの技量を持たせれば、夢獣化ピエロかが可能という事か。それならランクSを殲滅せんめつする事ができる!」

 竹宮はニヤリと笑った。


「…………」

(五体不満足……)

 竹宮の発言にユウキは無言で俯く。


「不謹慎だぞ!」

(こいつ、瑠垣が左腕を失った経緯を知っていて)

 竹宮の後方2列目に座る岸田は怒号を上げる。

「黙れ」

 竹宮は岸田に背をむけたまま一蹴した。


「副総館長。その考え方は危険です!」

「五木博士。まずいですよ」

 五木と呼ばれた40代後半の小太りな男性研究者は、隣に座る若い男性研究者の制止を振り切って立ち上がる。

「五木か、構わん。話せ」

 竹宮は不機嫌そうに声を低くする。

「ありがとうございます。まず、私の妻、五木 まことが行なっていた夢粉ゆめ臓器移植研究での失敗をお忘れですか? 人間の体に夢粉ゆめで創造された体の一部を移植させた場合、一時的に機能しても必ず拒否反応を起こし持続しません。妻は長年の研究で、全ての細胞に夢粉ゆめを含ませる事ができれば、機能を持続させる事が可能だという仮説を打ち立てました。重い心臓病を抱えていた妻は、自分自身を仮説立証の為の実験台にし、血管内に夢粉ゆめを投与しました。結果は投与から2時間後、体内の120箇所以上で血流の異常を起こし、妻は亡くなりました。この実験で分かった事は、血管内に一切の夢粉ゆめを残してはいけないという事です。何故なら、体内に入った夢粉ゆめは創造免許証を起動させた時の15倍以上も人間のイメージに干渉しやすくなります。そのような状態で、ほんの少しでも物資のイメージを持ってしまいますと、血管内の夢粉ゆめは創造の意思の有無にかかわらず集合圧縮と物資化を起こし、血流の遮断を体のいたるところで起こすのです。瑠垣君が夢粉ゆめと細胞膜の融合に成功したのは、彼の類稀な創造スキルがあってこそだと思います。これを瑠垣君以外の人間が行うのはリスクが高過ぎます。妻が命をなげうって教えてくれた事です。お願いします」

 五木は深々と頭を下げた。

「わっわかった。だが、そうなるとランクSに対抗できる戦力は瑠垣マオの1人になってしまうな。どう対策したものか」

 竹宮は五木の熱意に負けたように話す。


「テメェ、いい加減にしろよ。もう少し考えてから発言しろ」

 築は不機嫌そうに竹宮を睨んだ。

「もっ申し訳ございません」

 竹宮は恐縮し急いで椅子に座る。

「その事についてだが。ランクS対策本部を新設し瑠垣マオを筆頭司書に任命しようと思っている」

 築は両腕を組んだ。

「それは、瑠垣を司書長にするという事ですか!? まだ16歳ですよ!」

 岸田は慌てた様子で席から立ち上がる。

「そうだ、だが制限を付ける。ランクSとの戦闘になった場合に限り、瑠垣マオを司書長と同等の権限を有する事とする、特別筆頭司書長に任命しようと思っている。それ以外は鈴木班に所属する岸田司書長の部下だ。今まで通りしっかり見てやってくれ」

 築は岸田の方へ振り返り話した。

「はい、それでしたら」

 岸田は緊張した様子で椅子に座り直した。

「それでいいな?」

 築は覚悟を試すようにマオの目を見る。

「はい」

 マオは力強い目で築を見返した。

「いい返事だ」

 築は楽しそうに笑った。

「よし、今日の会議は終了だ。各自、仕事に戻ってくれ」

 築の一言で着席していた者が一斉に席を立つ。


「瑠垣君」

 五木がマオに向かって歩いてくる。

「先ほどは、ありがとうございました」

 マオは五木に一礼をする。

「気にしなくていいんだよ。こちらこそ、いつも息子がお世話になってるからね」

 五木は優しく笑う。

「やっぱり、晋二のお父さんでしたか」

 マオは納得したように頷く。

「そう、私が五木晋二の父親の五木 晋也しんやだよ。瑠垣君の事は晋二から聞いていたからね。息子に、いい友達が出来て嬉しいよ」

 安心した晋也の表情は、優しい父親そのものだった。

「俺も、晋二が友達になってくれて嬉しいです」

 マオは微笑んだ。


「五木博士。先に行きますよ」

 10m 前方にいる男性研究者が晋也に呼び掛ける。

「すぐ向かうよ! ごめんね瑠垣君。これからも親子共々よろしくね」

 晋也は慌ただしく走っていった。



 マオの能力測定を終え、ユウキは自室に戻っていた。


「…………」

 ユウキの表情は暗く、後悔と罪悪感に満ちていた。

(私のせいでマオは、自分の体内に夢粉ゆめを……)

 ユウキは部屋の真ん中で立ち尽くす。

(もっと、マオの為にできる事は? 私が支えにならないと……)

 ユウキの両目から涙が溢れ出す。

(いつもマオは私たちを助けてくれる。だけど、私は何もマオに返せてない。だから私がそばにいて、マオを守るんだ)

 ユウキは両手を胸に当てた。



「くっそ!! 相川築めぇ〜!! また、私をバカにして」

 マオの能力測定を終え副総館長室に戻ってきた竹宮は地団駄を踏み怒りを爆発させる。

「失礼します」

 若い男性が副総館長室にノックをして入る。

「戸田か」

 竹宮は戸田の顔を見ると冷静さを取り戻し机に座る。

「総館長が本部に戻ってからの行動です」

 戸田は写真付きの書類30枚を竹宮に手渡す。

「今回も別段、問題行動は無しか。君に相川築の調査任務を出して5年、奴の身の回りを探ってもほこり一つ出やしない」

 竹宮は不機嫌そうに話す。

「引き続き、総館長の行動を監視し何か怪しい行動が有ればすぐに報告します」

 戸田は一礼をし、退室をしようと振り向いた。

「待て」

 竹宮は戸田を止める。


「?」

 戸田は再び竹宮の正面に立つ。

「監視対象を変える。次のターゲットは瑠垣マオだ」

 竹宮は意地汚い笑みを浮かべた。

「瑠垣マオですか?」

 戸田の表情は疑問を持ったものに変わる。

「ああ。今日、瑠垣マオの能力測定を行ったのは知っているな?」

 竹宮は机上のノートパソコンを開いた。

「はい、あのランクSと互角に戦ったんです。能力を調べるのは当然ですよね? それが何か?」

 戸田は首を傾げる。

「これを見てみろ」

「はい」

 戸田は竹宮の背後へ移動しパソコンの画面を見る。

「これが今日の議事録だ」

 竹宮は座ってる椅子を後方へ引いた。

「特に問題は無いかと」

 議事録を見終えた戸田は、竹宮の意図がわかっていない様子だった。

「だが、これを見た後ならどうだ?」

 竹宮はパソコンを操作し、狭間から出たマオとエルの戦闘を戸田に見せる。

「? この黒いリングは何ですか?」

 戸田はマオが左腕を創造する際に出現したparadoxパラドックスに疑問を示す。

「それは私にも分からない。次にこれだ」

 竹宮は先ほどの能力測定で、マオが夢獣化ピエロかする瞬間の映像をスロー再生にして戸田に見せる。

「一瞬ですが、また黒いリングが」

 戸田は、ほんの僅か画面に写ったparadoxパラドックスを見て目を丸くする。

「瑠垣マオは我々に隠し事をした、これは許されない行為だ。今日、それを指摘しなかったのは君に瑠垣マオの監視を命じる為だよ。たしかに、瑠垣マオの力は我々の希望だ、彼を無しにしてランクSとは戦えない。だが、あの強大な力は人類にとっても危険だ。この黒い輪の他に何かを隠している可能性もある。だからこそ、私が最も信頼を置くオペレーターである君が瑠垣マオの監視して、隠し事を暴いてもらいたい。幸運な事に相川築は、瑠垣マオを特別筆頭司書長に任命した。瑠垣が黒いなら、任命した相川築あいつに任命責任が生じる。そうなれば総館長の椅子から叩き落とす事ができる!」

 竹宮は不気味に笑った。

「なるほど、それは素晴らしいですね。これで我々オペレーターでも総館長になれる実例ができます」

 戸田は意味深に笑った。

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