表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/55

ファンタジー博士と呼ばれた男 1

「え…………」

 マオは目の前に現れたきのした 悠馬と名乗る男の話に、驚愕し動きが止まってしまった。

「あれ? 固まってしまったね。君、大丈夫かい?」

 悠馬はかがむようにしてマオの顔を覗き込む。

「はッ!? すいません」

 マオは我に返った様子で動き出す。

「君の名前を教えてもらえないかな?」

 悠馬は微笑みながら話した。

「瑠垣マオです」

「瑠垣マオ君だね。ふむふむ」

 マオが名乗ると悠馬は小さな手帳とボールペンを白衣の胸ポケットから取り出してメモを取った。

「あの、さっき夢粉ゆめの開発者って言っていましたけど」

 マオは恐る恐る悠馬に話し掛けた。

「いかにも。私が夢粉ゆめの開発者だよ」

 悠馬は両手を腰に当てて自慢気に話した。

「…………」

 マオは疑うような目で悠馬を見る。


「あれ? 今、変な事を言ったかな?」

 悠馬は首を傾げる。

「俺の知っている夢粉ゆめの開発者は高宮真斗という方で、義務教育の教科書にも載っているんですが」

 マオは目を細める。

「おお! 真斗の事を知っているのか!! 彼なら上手くやってくれると思ったが。まさか教科書に載る程になっているなんて!」

 悠馬は左腕でガッツポーズをして、まるで自分の事のように喜んだ。

「え? どういう事ですか?」

 マオは眉間にシワを寄せる。

「すまないね。懐かしい名前を聞いて取り乱してしまったよ。高宮真斗は私の研究の助手をしていたんだ」

 悠馬は笑顔で答える。

「高宮真斗が夢粉ゆめを開発したのは195年も前ですよ」

 マオは疑うような目で悠馬を見た。

「ああ、だから長かったよ」

 悠馬は遠い目をした。


「気になる事がもう一つあるのですが。パラレルワールドの発見者って?」

「いかにも。私がパラレルワールドの発見者だよ」

 マオの質問に悠馬は再び両手を腰に当てて自慢気に話した。


「…………パラレルワールドって、ゲームや映画とかに出てくる時空から分岐した平行世界の事ですよね?」

 マオは少し考えてから話した。

「瑠垣君は、よく知っているね。だけど、実際のパラレルワールドは別時空にある平行世界ではないよ。これは多くの人間が勘違いをしている事だね」

 悠馬はメガネを左手人差し指で持ち上げた。

「…………もしかして、ここがパラレルワールドなんですか?」

 マオは右手を顎に当て首を傾げる。

「鋭いね。たしかに、ここはパラレルワールドだった。だけど今は違うよ」

 悠馬は意味深に笑う。

「え?」

 マオは困ったような表情をする。

「目に見えない可能性のエネルギーのかたまり。それが、パラレルワールドの正体だよ。人間の目は何も見えていなかった」

 悠馬は少し悲しそうに話した。

「…………」

(なんだこの人? 物凄く胡散臭うさんくさい)

 マオは更に疑いを強めた様子で悠馬を見る。


「信じられないかい?」

 悠馬は落ち着いた様子でマオに問い掛ける。

「ええ。まあ……」

 マオは歯切れの悪い返事をする。

「じゃあ、一つ話をしよう。これを聞いて信じられなければ私は諦める事にするよ」

 悠馬はゆっくりと上を向く。

「これは、今から200年ぐらい前の事かな」

 悠馬は悲しみを帯びた声で話し始めた。




 201年前、東京。


『今週のガソリン価格は1ℓ 5千円。金の価格は10g 100万円。円相場は1ドル1030円55銭』

 カウンター10席の木造の蕎麦屋、1人しか客のいない薄汚れた店内でノイズまみれのラジオニュースが流れていた。

「ずるっずるっずるっ」

 カウンター席の右から2番目に座る黒髪短髪で黒縁眼鏡を掛けた白衣姿のきのした 悠馬は、天ぷら笊蕎麦ざるそばを美味しそうに食べていた。

「ふぅー」

 食事を終えた悠馬は出汁つゆを蕎麦湯で割り一息ついた。

「いくら?」

 悠馬は立ち上がり茶色い長財布をズボンのポケットから取り出す。

「1万2千円だよ」

 白い調理服を着た70歳前後の男性は新聞を読みながら無愛想に答えた。

「はい。ご馳走さま」

 悠馬は代金を払い終え、大きな荷物を持ち蕎麦屋を後にする。


(また、値上げか。300年ぐらい前は、今の十分の一の値段で食べる事ができたらしいが。まあ、あの店は暖房が入っているだけマシか)

 悠馬は外の寒さから両手を白衣のポケットに入れる。

「ガソリン車なんて今や、大富豪の道楽に過ぎないか」

 悠馬は車が1台も走っていない、ひび割れたアスファルトに木造の低いビルが立ち並ぶ街をトボトボと歩いていた。



 世界は300年以上前から続く環境問題を先送りにしてきた結果、化石燃料や鉱物などといった資源が不足していき枯渇という2文字が目の前に迫っていた。

 世界中の科学者は化石燃料や鉱物に変わる新たな資源の開発を急務とし日々研究に明け暮れていた。



 ―――きのした 悠馬 32歳 身長180cm 体重 58kg ―――



「戻ったよ」

 悠馬は自身の研究室の扉を開けると、広い室内で30人ほどの科学者が実験器具やノートパソコンとにらめっこをしていた。

「おかえりなさい、きのした博士」

 短い茶髪の若い男性科学者がパソコンでの作業を中断して悠馬の目の前に歩いてくる。

「真斗、例の実験結果は?」

 悠馬は目の前に立った真斗に問い掛ける。



 ―――高宮真斗 26歳 身長183cm 体重 65kg―――



「失敗です。ウラニウムと三重水素の量を調節しても真空中の光速である299,792,458m毎秒に遠く及びませんでした」

 真斗は残念そうに肩を落とす。

「そうか。また計算のやり直しだな」

 悠馬は自分の机に腰掛け、書類に埋もれていたノートパソコンを開く。

「ベルリンでの会議はどうでしたか?」

 真斗は悠馬の右隣に立った。

「退屈な会議だったよ。どこの科学者も研究が上手くいかない事を嘆き、互いに傷の舐め合いをしていた。実験が上手くいかない気持ちは分かるけどね」

 悠馬はキーボードを叩きながら重い雰囲気で話した。

「パラレルワールド……」

 真斗は小さく呟いた。

「そう。パラレルワールドが存在すれば、必ずその中に資源が豊富にある世界が存在する。その世界から資源を分けてもらえばいい。なにせ相手は別時空の自分自身だからね」

 悠馬は少し嬉しそうに話した。

「その為にはまず、光と同じ速さで動く乗り物を完成させて相対性理論を証明しないといけないですね」

 真斗は力強く頷く。

「パラレルワールドを見つけるには、時空の存在を明確にする必要があるかね」

 悠馬は立ち上がりコーヒーメーカーが置いてある棚の方へ歩き出す。


「ですが、きのした博士」

 真斗は声を大きくして悠馬の歩みを止める。

「?」

 悠馬は振り返る。

「今日は家に帰っていただきます!!」

 真斗は、はっきり大きな声で話した。

「なぜ?」

 悠馬は不思議そうな顔をした。

「なぜって。ただでさえ研究室に泊まる事が多いのに2週間もドイツにいて。新婚なのに奥さんが可愛そうですよ」

「うっ」

 真斗の熱気に悠馬はたじろぐ。

「しかも、奥さんは妊娠中でしたよね? 出産予定日は把握していますか?」

 真斗は悠馬を凄まじい目力で見る。

「来年の4月中旬」

 悠馬はバツの悪そうな顔で答える。

「今日が12月27日なので。あと3ヶ月ぐらいじゃないですか!! 今日はもう帰って下さい!」

 真斗は悠馬の背中を押して出入り口に向かう。

「真斗! ちょっと待って。麻由里は私の研究に理解があって」

 悠馬は抵抗しようとする。

「な・に・か?」

 真斗は声のトーンを下げる。

「いえ。なにも」

 悠馬はしょんぼりした様子で研究室を後にする。



「そういえば、クリスマスだったな」

 悠馬は、家へ帰る途中に入ったコンビニでショートケーキが置いてある棚の前で立ち止まる。

「今日が27日だから2日遅いがギリギリセーフか?」

 悠馬は2つ入りのショートケーキを手に取りカゴの中へ入れた。

「5343円です」

 コンビニの女性店員が笑顔で値段を告げる。

「はい。丁度」

 悠馬は長財布から千円札を5枚、百円札を3枚、十円札を4枚、一円札を3枚出した。 

 金属不足により硬貨がなくなった日本では、電子マネーや紙幣による売買が当たり前になっていた。



「ただいま」

 悠馬は古い木造アパートの自室に入った。

「おかえりなさい。こんなに早く帰ってくるなんて、どこか体調が悪いの?」

 畳張りの1LDKの部屋から、焦げ茶色のロングヘアーをポニーテールにまとめた、藍色の妊婦服姿の女性が大きなお腹を気にしながら心配そうに歩いてくる。

「僕の体は大丈夫だよ。それよりも麻由里、お腹大きくなったね」

 悠馬は麻由里の膨らんだ腹部を愛おしそうに撫でる。

「うん。元気な子が生まれるといいな」

 麻由里は悠馬を優しく見つめる。

「君と僕の子供だ、きっと元気な子だよ。あっ! これを買ってきたんだ」

 悠馬は持っていた紙袋を開けて中身を取り出す。

「あああ!」

 麻由里の表情は花が咲いたように明るくなる。

「2日遅いがメリークリスマス」

 悠馬は笑みを浮かべた。



 ―――きのした 麻由里 29歳 身長158cm 体重 42kg 胎児を入れると45kg―――



「あはは。そんな事があったのね。だから、今日は早く帰ってきたんだ」

 ケーキを食べ終えた麻由里は悠馬の話を聞いて笑っていた。

「ああ、今日の真斗は怖かった」

 悠馬はティーカップに入った紅茶を啜る。

「でも、嬉しいな。パパが早く帰ってきてくれて。今度、真斗さんって人にお礼をしないとね」

 麻由里は炬燵こたつの上に乗っている、からになった皿を嬉しそうに見つめた。

「パパ?」

 麻由里の左隣に座っている悠馬の表情が固まる。

「うん。だって4月にはパパになるんだよ」

 麻由里はお腹を摩りながら話した。

「そうか……そうだよな」

 悠馬は感慨深そうに頷いた。

「ねぇ、ママって呼んで」

 麻由里は悠馬に微笑む。

「えっ」

 麻由里の一言で悠馬は目を丸くする。

「子供が生まれたらママって呼ぶんだよ。お願い」

 麻由里は上目遣いで悠馬を見る。

「わかった。まっママ」

 悠馬は顔を真っ赤にして小声で呼んだ。

「は~い。なにかな~? パパ」

 麻由里は幸せそうに返した。


「その本は?」

 悠馬は麻由里の隣に置いてある付箋ふせんだらけの雑誌を見つけた。

「これ? これはね。家族3人で行きたい場所を探しているの」

 麻由里は満面の笑みで雑誌を持ち上げた。

「この草原すごく綺麗だよね! 子供が歩けるようになったらここで遊ぶの。それから、ここでキャンプして3人で星空を見るの。それから」

 麻由里は雑誌をパラパラとめくり、これから家族で行きたい場所を楽しそうに話していく。

「それは楽しみだね。だけど、僕はあまり家に帰ってこれない。本当に申し訳ない」

 悠馬は表情を暗くして下を向く。

「うん。悠ちゃんが物凄く頑張っているの知ってるよ。どうして頑張るのかも私には分かるんだ」

 麻由里は雑誌を畳に置いた。

「え?」

 悠馬は目を丸くする。

「悠ちゃんは世界を救う為に研究をしているって言っているけど、本当はこの子の為なんだよね」

 麻由里は自分の腹部を嬉しそうに見る。

「この子が未来で悲しまないように、この子に待っている幸せを守る為に、悠ちゃんは今、身を粉にして頑張っているんだよね。だから、私は生まれてくる子供に言うんだ、パパはあなたのスーパーヒーローだよって」

 麻由里は愛おしそうに悠馬を見る。

「ありがとう。必ずこの子が笑って生きられる未来を作り出すよ」

(君は僕の最高の理解者だよ)

 目頭を熱くさせた悠馬は、そっと麻由里を抱き寄せた。



 1月3日。


「行ってくる。多分、3週間で帰ってこれると思うから」

 黒い厚手のコートを着た悠馬はアパートの玄関の前に立った。

「いってらっしゃい」

 麻由里は笑顔で見送る。


 悠馬は1年間の研究成果を報告する為に、アメリカのマサチューセッツ州にある大学へ向かった。



「いたいた。ファンタジー博士だ」

「ほんとだぁ~ いい歳してパラレルワールドに行きたいって。科学者を舐めているよね」

「研究費泥棒」

 大学の講堂に集まった科学者たちは悠馬に白い目を向けていた。


「であるからして、我々が作り出した生物の死骸を急速に燃料化する、この理論こそ世界を救う手段なのです」

 次々と科学者が報告を終え、小太りの科学者が壇上で研究成果を読み上げる。

「おおー」

 周りで聞いていた科学者たちは感心したように歓声を上げる。

「一つよろしいかな?」

 講堂の科学者の席から見て右側に座っている、灰色のスーツを着た80代の男性が手を挙げる。

「これは、国際危機対策機関のマイク様。なんなりと」

 小太りの科学者は媚びを売るようにして話す。

「その大掛かりな施設を世界中に建築するとして、必要な資源の量は計算したのかな?」

 マイクは論文を右手に持って立ち上がる。

「いえ……それは……」

 小太りの科学者は歯切れの悪い返事をする。

「世界各地にこの施設を配置する事は現実的に不可能だ。軽く見積もっても建築に必要な資源が足りない。それから、食糧不足に伴う動物の乱獲で昨年レッドリスト入りした種が2523種と動物の数自体が減り、生物の死骸を必要とするこの案はその場凌ぎにしかならない」

 マイクは論文を見ながら冷静に話した。

「…………」

 自身の研究を一刀両断された小太りの科学者はがっくりと項垂れた。

「研究報告会の邪魔をして申し訳なかった。次に進めて下さい」

 マイクは座り直す。

「はい」

 悠馬は壇上に向かい歩き出す。


「あっファンタジー博士」

「研究打ち切りだな」

 悠馬が壇上に立った瞬間、科学者たちはひそひそ話を始めた。


「西暦2300年1月5日。現在において、この場で発表ができるような研究の進展はありませんでした」

 悠馬の研究報告はたった一言で終わった。


「え?」

「あいつ何しに来たの?」

「うわぁ~ こいつ本当に研究費泥棒だった」

 講堂内が騒めく。


きのした君」

 マイクは立ち上がる。

「はい」

 悠馬はマイクの方を見る。

「たしか、君の実験は核エネルギーを使用していたね」

 マイクは退屈そうに質問した。

「はい」

 悠馬は平然と答える。

「たしかに君の研究が成功すれば問題は根本から解決する。だが、リスクのある実験と莫大な研究費用。成果が出ない以上、我々も支援をする事は難しい」

 マイクは厳しい表情で話した。

「はい」

 悠馬の声のトーンが下がる。

「今年1年だ。1年以内に目に見えた結果を出せない場合は、君への研究支援を打ち切らせてもらう」

 マイクは低い声で話した。

「わかりました」

 悠馬の表情が暗くなる。



 研究報告会を行った大学の近くにあるビジネスホテルの自室に戻った悠馬は落胆していた。

(1年、短過ぎる。まだ、時空が本当に存在するのかも証明できていないのに)

 悠馬はベットに座り頭を抱え込む。

(ダメだ、今はマイナスの事しか考えられない。気晴らしにテレビでも見よう)

 悠馬は普段全く見ないテレビのリモンコンを操作して起動させた。

『大変なニュースが入りました』

 日本語チャンネルを押すと、ニュースキャスターが画面越しに青ざめていた。

「?」

 悠馬は食い入るようにニュースを見る。


「そんな…… 麻由里!!」

 悠馬は立ち上がり急いで携帯電話を取り出した。


 ニュースの内容は、アジアのとある国が核弾頭を発射しロシアのケタンダと日本の長野県と静岡県の県境にあるヒョー越し峠に着弾しロシアが反撃をしたとの事だった。


(頼む無事でいてくれ!)

 悠馬は不自然に流れ出す汗に寒気を感じながら麻由里に電話を掛ける。

「もしもし。悠ちゃんどうしたの?」

 麻由里は元気な声で電話に出た。

「よかった~」

 悠馬は安堵して膝から崩れ落ちた。

「ニュースを見て、心配になって電話した」

 悠馬は床に座った。

「うん。私も今、ニュースを見てるんだけど。大変な事になっちゃったね……」

 麻由里は力の無い声で返した。

「できるだけ早く帰るよ」

 悠馬はベットにもたれ掛かり天を仰ぐようにして話した。

「うん」

 麻由里は甘えるような声で返事をした。


 他国の資源を狙った核攻撃と周辺国への奇襲は、ユーラシア大陸全土を巻き込む戦争へと発展してしまった。


「よかった。無事で」

 電話から4日後、悠馬は麻由里の待つアパートに帰ると、優しく麻由里を抱きしめる。

「うん。怖かった」

 麻由里は悠馬の胸の中で涙を流す。

「絶対に研究を完成させるから、3人で静かに暮らそう」

 悠馬は力一杯に麻由里を抱きしめる。

「…………」

 麻由里は無言で頷く。


 その後も戦争は激化し、科学者や技術者たちは資源を無駄に使用せずローコストで作れる兵器の開発に着手させられた。


「すみません。本日付でこの研究室を辞めさせてもらいます」

 白衣姿の女性が悠馬に頭を下げる。

「今まで、ありがとう。新天地でも頑張ってね」

 悠馬は笑顔で送り出す。

「ふーぅ。少なくなったな」

 ユーラシア戦争が始まっても、兵器の開発に協力をしなかった悠馬は非国民とののしられさげすまれ、次第に研究室に所属する人間も同じ扱いを受ける結果となり科学者が次々と悠馬の元を離れていった。

「僕ときのした博士を入れて4人ですね」

 真斗は研究室の出入り口を悲しそうに見る。

「だけど、私たちのやる事は変わらないよ。今やるべき事は、この世界を破壊する兵器を作るとこではなく、この世界を救う手段を見つける事だ!」

 悠馬は机に座りパソコンを操作し始めた。

「たしか、もうすぐでしたね。お子さんが生まれるの」

 真斗は悠馬の机にブラックコーヒーの入ったマグカップを置く。

「サンキュー。ああ、今週の木曜日が出産予定日だ」

 悠馬は嬉しそうに卓上カレンダーを見る。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ