雨と眼帯と待ち合わせは喫茶店で
土曜日の朝。時刻は9時半といったところで私は目が覚めた。まだ少しまぶたが重く眠いが気にせずベッドから這い出て、起き上がった。
今日は休みの日だから、早く起きる必要は全く無いんだけど、寝過ごすよりかはましだと自分にいい聞かせて、ベッドのある部屋から出て、洗面所に向かい顔を洗った。
鏡には自分の顔が写っていて、特に変わったようすはない。気になるといえば、左目がないくらいか。
もうだいぶ昔の事だから、いまさら気にしてもしょうがない。詳しい話しは省くけど、
事故で片目を失った。ただそれだけだ。一応外に出かける時は眼帯を付けている。
少し目立ってしまうが気にはしていられない。などと考え、ベッドのある部屋に戻る。
そしてさっさと外出用の服に着替えて家を飛びだした。もちろん。眼帯はしている。
外はあいにくの雨だけれど、小降りだったから、傘もささずに歩きだした。目的地はもう決まっている。そう。一応友人と会う約束をしていた。
その友人はと言うと、鈍感で、ケチで、正直者の癖に、バカで、デリカシーに欠けていて、バカで、とにかくムカつくやつだ。
別に友人の事は嫌いではないけれど、正直会うのは、勘弁して欲しい。しばらく歩いていると、待ち合わせの喫茶店前にその友人はいた。
友人は私を見つけるなり、声をかけてきた。
「二時間の遅刻だね。いや、まあ、いいんだけど、何してたの?」
「別にどうだっていいだろ。ちゃんと来たんだから、ほんの少しの遅刻ぐらい多目に見てくれよ」
「うーん。だいぶ遅刻だけど、まあ、いいか。今日はちゃんと来てくれたし、この前みたいにすっぽかされるよりはましかな」
「じゃあ。早く中に入ろうぜ。今日は朝から何も食べてないんだからな」
「わかった。じゃあ中に入ろうっと、その前に今日の格好はかなり、ラフだね。もっとかわいい服をきれば良いのに」
「はぁ!私の勝手だろ。そんなの知るか。いいだろ。楽だし、落ちつくんだから!」
「うーん。もったいないなぁ。そうだ、今度一緒に買い物に行こうか。女の子向けのかわいい服を探しにさ、さすがにジャージはラフすぎるよ」
「うるさい。別にいいだろ。格好いいし、機能性は抜群なんだぞ。バカにすんな!」
「いや、バカにはしてないけど、まあ、そろそろ店に入ろうか、お腹もへったし」
そう言って友人は喫茶店の中に入って行った。私も無言で店の中に入る。これだからこいつの事は気に要らないんだ。私の服装にわざわざケチを付けてくるし、一緒に買い物に行こうなどと言う
私は別にいいと言っているのに強引なやつだ。全く、まあ、別に一緒に買い物に行ってやらんでもないかと考えて、あくまでも
気分が向いたらなと自分自身にいい聞かせ、友人の背中を追いかけた。




