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狐たち  作者: nutella
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 続く数日間、各種メディアを騒がせたのは、やはり統一革命戦線による衝撃的な譲歩だった。長年の対立についに終止符が……そんな風に浮き足立つ論調もあったが、中央政府はあくまでこれを、地上侵攻の無期限延期であるという姿勢を崩さなかった。国境付近の駐屯地は相変わらず前線基地と呼ばれ、緊迫状態は続いた。とはいえ、多少は敵側の歩調に合わせる必要があったのも事実で、それは実質、長期的なロードマップに沿った宥和政策の決定を意味していた。

 そこに世界的民間軍事会社の名は奇妙なほど出てこなかったし、また、いたいけな少女を誘拐したペドフィリアの警備員の続報も、同じようにぷっつり途絶えていた。そのことを訝る人々もいたが、首まで赤くしたお祭り騒ぎの最中、眉間に皺を寄せる人たちの声など、アクアリウムの水泡と同じくらい儚いものだった。

 

 一度だけ、ある地方紙の片隅に、『病院屋上にヘリ墜落か――死傷者数名』という記事が出たが、それきりだった。

 世間は歓喜の引き潮に呑まれたまま、始まることもなく終わった戦争の味に舌鼓を鳴らしている。


 こうしてあっけなく、日々は平常運行に戻った。



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