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狐たち  作者: nutella
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 幼い頃は医者が怖かった。医者よりはむしろ、裂けた皮膚やむき出しの骨、ストレッチャーに横たわる死体を連想させる病院独特の臭いが怖かったのかもしれない。採血の度に身も世もなく泣き喚き、父の脚にしがみついていたことをクーリロワはよく覚えている。

 だからというわけではないが三年前、娘の聖女信仰なる妄想が看過できないほど悪化したと考えたとき、父がまず探したのは心理カウンセラーだった。本当ならクーリロワは拘束衣を着せられて閉鎖病棟へ叩き込まれるはずで、事態はそれだけ大ごとになっていた。にもかかわらず温和な好々爺との生温いカウンセリングで済まされたという事実に裏でどんな力が働いていたのか、彼女は知らない。

 穏やかな肯定と理知的な指摘。なるほど確かにカウンセラーは優秀で、微笑みの裏にはちょうどコインの裏表のように老獪さを備えていた。しかしどんな言葉もクーリロワには響かなかった。どれも的外れで見当違いだった。

 世界を変えるはずだった。世界を救うはずだった。信念は固く精気漲り、たぎる情熱は一路、はっきりと定まっていた。自分なら出来ると、目的のため、不退転の意志で最後まで走り抜けるのだと思っていた。

 だが結局残ったのは失望だった。騙された、利用された。自分は嬉々として羊をなぶる狼の群れに、日々新たな一頭を送り込んでいたのだ。そんなことも知らずにこにこと笑みを向けるカウンセラーに、やがて彼女は憎悪さえ抱くようになっていた。

「なにか飲み物は、クーリロワ君?」

 この目の前の男はどうなのだろう――かぶりを振りながら、彼女は思う。

 二人がいるのは九階、暖房のよく効いた、カウンセリングルームを兼ねた診察室だった。壁紙やラグマットなどのインテリアにはふんだんに暖色系の色を使っていて、色彩心理学が一役買っているのは明らかだ。硝子製の小さなテーブルにはICレコーダーが機械の耳をそばだてて、そのテーブルを挟むように配置されたふかふかのソファに、クーリロワと入間が向かい合って座っている。入間はあまり寝ていないのか、眼鏡の下にはうっすらと隈が浮いている。服装はワイシャツと藍色のセーター、黒のスラックスという出で立ちで、脱いだ白衣は部屋の奥、重厚な書斎机とセットになった革張りの椅子にかけられている。対してクーリロワは水色のジーンズにエメラルドグリーンのパーカー、白のスニーカーという、彼女にしてはラフな格好だった。

「それにしても驚いたよ」と入間は言った。「急に予約が入ったと思ったら、まさか君とはね。元ジャーナリストのお嬢さんだと院長からは聞いていたから。昨日会ったのは覚えているかい?」

 言葉の節々にはパンくずが落ちていた。会話の小道、点々とその“くず”が導く先は、クーリロワにとって明らかだった。ええ、と彼女は言った。

「“山葉”の病室の前で、会いましたね。まるで一週間も前のように感じますが」

 そうやって彼女が正しい小道を辿ると、迎えるのは笑みを消し、真剣な表情を浮かべる入間であった。

「――正直に言おう、クーリロワ君。僕は、君が自分で主張した“ショック状態”にあるとは思っていない」

 手を伸ばし、テーブルのレコーダーを止めながら、きっぱりと言う。

「この病院は昨日、君が誘拐された場所だ。死傷者だって出た。これくらい大きな医療機関となると、なにか事件が起きたからってすぐに業務を止めることなんてできない。だけどロビー周辺は見ただろう? 警備は物々しくて、窓の変わりに防犯シャッターが下ろされているような状況だ。普通なら怖くて戻れないだろうね。だから君が心的外傷を負って僕を訪ねているとは考えにくい。もし本当にそうなら別の……そうだな、もっとこじんまりした、アットホームな個人病院でも行くだろうね」

 彼女を見つめる双眸は言っていた――だから、本題に入ろうか。

 クーリロワは居ずまいを正し、咳払いする。

「山葉について、どうしても教えて欲しいことがあって来ました」

 入間の反応は芳しくなかった。彼は眉をひそめた。

「すまないが、わからないな、どういうことなのか。一緒にいた君以上に今、彼のことを知っている人がいると思うかい?」

「わからないんです」クーリロワは唇を引き結んだ。「山葉がなにをしようとしているか――それを私も知りたくて、今日ここに来たんです」

 しかし入間は信じられなかったようだ。表情にはあからさまな不審な色が浮かんでいる。彼女がなにか隠している。そう思っている目つきだった。

「だから彼のことを僕から聞く必要があると?」 

「そうです」

 入間は息をついて首を振ると、どこか冷たさの混じった声で言った。

「わかってないようだから説明しておくよ、クーリロワ君。医者には弁護士なんかと同じように守秘義務というのがある。君がなにを聞いたところで、本人の承諾か僕の許可がなければ話すことは」

「私は彼の姉について聞かせて欲しいんです」

 予想外の台詞だったのだろう、入間は一瞬口ごもった。

「……何だって?」

「彼と彼の姉の間になにがあったのか知りたい――いえ、知る必要があります」

 屹然とした様子で繰り返すクーリロワを眺めながら、入間の表情は徐々に苦虫を噛み潰したようなものへと変わる。

「どうして君がそんなことを気に欠ける? じゃあこういうことなのか、一緒にいてなにもわからなかったのに、今、僕にその魔法の質問をすれば、これからの彼の行動が読めるようになると? それなら彼に直接聞くべきだったな。こうしてこそこそ過去を嗅ぎまわるより、ずっと健康的だと思うよ」

 クーリロワは視線をテーブルに落とした。もっともだった。しかし入間が責めているのは、彼女のことだけではないようにも聞こえた。入間は疲れた仕草で、顔の前で手を振る。

「さ、充分だ。気は済んだろう。クーリロワ君、君は助かった、それでいいじゃないか。めでたしめでたし。終幕だよ。これ以上はない」

「では先生は」と彼女は言った。「彼がマフィアの一員だと? あの少年と共に麻薬を強奪するため襲撃を手引きしたと、そう思っているんですか?」

「馬鹿な。彼がマフィアだって? ありえない。屋敷で死んだ連中は確かにそうなのかしれないが、拘束された少年だって、検査の結果から――」

 そこではっとしたように黙る。再び口を開くと今度は慎重な口調で、

「……ともかく、彼のことはよく知っている」

「よく知っているのなら私の質問の答えもわかるはずです。お願いです、教えてください」

 頭を下げ、彼女は言った。駆け引きにもなっていなかった。馬鹿らしいほど実直な“お願い”だった。しかし彼女はこういったとき、それ以外に方法を知らなかった。幼い頃から父の庇護に置かれ、成長してからは無二の美貌にかしずかれた。ジャーナリストとして聖女信仰を追った末には精神病だと腫れ物扱いされ、オペレーターとして非情なくらい職務に忠実であろうとすれば氷の女王と一線を引かれた。

 腹芸も、駆け引きも知らないとすれば、頭を下げるしかなかった。

 平伏するクーリロワを入間は見下ろした。やがて感情を押し殺した声でぽつりと、

「……君たちはみんなそうだ」

 クーリロワは頭を起こした。入間は言う。

「いつだって変わらない。興味本位で人の過去を知りたがる。無遠慮に手を出して偶像化して、だけど気に入らなくなったらよってたかって串刺しだ。大したものだと思わないかい? 英雄だともてはやした矢先、手のひら返して少女趣味の変態だと罵るんだから。真実なんて興味ない。他人の人生はエンターテイメントだ。そして君も……君だってどこが違う? ジャーナリストをやっていたんだろう? 事件の体験談と、ほじくり返した彼の過去を使って、リアリティ溢れる“重厚”な自伝でも書くかい? だから警察に話すべきことを話さず、僕のところで過去を探ろうとしているんだろう? まぁ無気力よりは立派か。人の予定に割り入ってでもやりたいことなんだろうから」

「先生、私はもうジャーナリストを辞めました。今は警備会社のオペレーターで――」

「わかってるさ」と精神科医にあらざる振る舞いで、入間は彼女の言葉を遮った。

 クーリロワは口を閉じた。

 彼はひどく苛立っていた。

 彼女はその理由に思い当たった。おそらく奇跡の男の担当医だったということで、取材を求める人々がいたのだ。そしてそれは彼の職務への誇りや、“患者”への信頼をいたく傷つけるものだった。そして傷つけたのは専門が違うとはいえ、彼女の元同族とも呼べる人々だ。入間が最初から一貫して、どこか攻撃な態度をとっていたのは、それが理由だった。

 つまるところははっきりしていた。

 入間は山葉を信じていた。

 ふっとクーリロワの肩から力が抜ける。なんだ、この人もそうなんだ――それがわかった途端、言葉が自然と口をついていた。

「山葉を助けたいんです」

「なるほど、僕はそうじゃないと? もう充分だ、治療が必要ないのなら今すぐ――」

「私は彼が好きです」眼鏡の奥の瞳を真っ直ぐ見つめ、彼女は言う。「ちょうど、あなたと同じように」

 入間は呆気にとられたように、口ごもった。

「君は……」

 自己欺瞞的心理操作、ストックホルム症候群。精神科医としてカテゴリ分けが必要ならそう呼べばいい。脅威となる相手を愛し、気に入られることで生存率を上げるという無意識の打算。精神に対する、自己保存の優位性。だけど同行したのも別れたのも全て彼女の意志だった。違うとは誰にも言わせない。山葉は一度も強制しなかったのだから。

「姉と同じ道を辿らせない――ツォエを見て、別れ際に彼は言っていました。もう手遅れにしたくないと。不安なんです、あんな思いつめた顔をして、彼がなにをしようとしているのか。だから私は、どうしても確かめなくちゃいけない」

 クーリロワはこれまであったことを話し始めた。



 入間は目を閉じると、大きな溜息を吐いた。そして、ふいに立ち上がる。見上げるクーリロワをよそに歩き出し、書斎机の引き出しからなにかを取り出す。

「レンズ拭きだよ」

 クーリロワの視線を背に感じ、彼は白い布をひらひらと振る。そのまま机によりかかり、真横の窓のブラインドシャッターを上げる。シャッと音がして眠たい昼過ぎの光が差し込んだ。眼鏡を外し、汚れを確かめるようにレンズを日差しに当てる。

「見抜けなかったのは僕のミスだ」と独り言のように呟いた。

 何のことか、というようにクーリロワは見つめる。入間は続ける。

「ツォエの血液検査の結果が今朝出たんだ。一緒にいた君が気付いたか知らないが、彼女は薬物をやっている。それも初めてじゃない、養子に引き取られてからすぐだろう。常習だよ」

 不思議とクーリロワは驚かなかった。むしろ、やっぱりそうなんだと感じただけだった。雲中を漂う月のような、あの茫洋とした瞳を思い出す。たとえ山葉がそこに聖女と呼ぶべき特殊性を見出したのだとしても、不思議はなかった。

「山葉君の過去について、僕だって詳しくはない。彼は聞かれてもいないことをべらべら喋るタイプじゃないしね。だけど一度だけ、治療の合間に語ってくれたことがある。姉と二人きり、祖父に厳しく――いや、虐待されて育ったように聞こえたよ。きっとそのせいもあるんだろう、彼の姉は薬物に手を染めたらしい。金策のために強盗をして、その際に誤って人を殺してしまった……、最後には自殺したと言っていたよ。何気なく語っていたが、ひどく悔やんでいるようだった。親代わりの祖父からひどい扱いを受けていたからこそ、姉との絆は強かったんだろうな」

 はぁっと息を吐きかけ、布でレンズを拭きながら入間は言う。

 ヤク中の殺人者――山葉の姉について、小倉がそんなことを言っていたと思い出す。クーリロワはそれを何かの比喩だと思っていた。しかし紛うことなき事実だったのだ。

「じゃあ姉と同じ道っていうのは」

「ツォエに彼女の面影を重ねているのかもしれない。汚染地域出身というのも境遇が似ている」

「ツォエが自殺するかもしれないということですか?」

「そうじゃない。この場合、問題になるのは山葉君の方だろう」

 なにを入間が言わんとしているのか、クーリロワにはわからなかった。眼鏡拭きを無造作に机に放ると、彼はソファに戻った。そして唐突に、

「――ひょっとして彼は、ツォエの保護と引き換えにタブラ・ラサに戻ることを考えているんじゃないのか?」

 それは奇しくもクーリロワが懸念した可能性だった。ぎゅっと心臓を掴まれたような感覚を覚える。

「やっぱり君もそう思ったんだね」

「……私が見てきた限り、彼は並外れて有能です。そういった取引が出来て不思議はありません。でも、どうして先生もそのように?」

「これは僕の憶測でしかないが、最初彼がPMCに入ったのは姉のためだと思う」

 首をひねるクーリロワを眺め、入間はソファの肘掛に肘をつき、指を頤に添えた。

「もちろん、他に現実的な選択肢が少なかったというのもあるだろう。軍やPMCに従事しながら教育を受け自立するというのは、施設で育った人間に共通する目標だ。彼らの世界の言葉を借りるなら、『社会的不具者を戦士として鍛え上げる』といったところだ。……だけど、仮に裕福な家庭に引き取られたとしても、彼はやはり同じ道を選んだんじゃないかな。話していて感じたよ、彼にとって武力――PMCというのは重要な存在だ。存在証明に近く、原風景をなすものだ。そして彼は姉を助けられなかった自分を恥じている。考えてみればおかしな話だよ、彼女が亡くなったとき、彼はツォエと同じような歳だったはずなんだ。お金もない、汚染地域に住むやせっぽっちの子供さ。無力だ、できることの方が少ない。それとも、だからこそ余計にこだわってしまうのかな。強くならなければならない。確かにそれもひとつの真実だが……」

「価値観のひとつでしかないわ」

 クーリロワが吐き捨てるように言うと、入間は頷いた。

「いわゆる代償行動だ。山葉君は今のツォエの状態と姉を同一視している。そして、今度こそ自分の手で救いたいと考えている――力の象徴であるPMCを利用して」

 精神科医らしい意見だった。しかしそれだけではないとクーリロワは知っている。誤射の事実は鈍色の枷となり、山葉を義務に一層きつく縛り付けているのだった。でなければどうして、“なにもかもまともじゃなかった”世界に戻りたいと思うのか。

「あいつ、馬鹿よ」気付くと彼女はそう言っていた。「これから地上侵攻が始まるのよ? こんなの自殺と同じじゃない。どうにかして止めなくちゃ……」

「止める、か」

 入間は呟くと、なにか考え込むように口を閉ざした。

「先生?」

「いや、本当に止める必要があるんだろうか」

 入間の台詞は彼女の予想外だった。

「なにを言っているんですか? 当然でしょう、彼がやろうとしているのは――」

「悪い手段じゃないような気がするんだ。大型PMCの基地圏内は実質、治外法権が適用される。民間企業とはいえ、タブラ・ラサは途方も無く巨大だ。近隣国とのパワーバランスを維持する、重要なパーツにもなっている、山葉君がその保護下に入れば、警察にも下手に手出しは出来ないだろう。フェンスの間から木の枝でつつくのは、子供がやるぶんにはいいが、国がやるとなると相当ややこしいことになる。それに敷地内には職員やその家族のため、医療設備からフリースクールまで何でも揃っている。そうだな、ツォエだってきっとそこなら――」

「どうしてそんな他人事みたいに言うんですかっ」クーリロワが声を荒げ、立ち上がる。「二人ともあなたの患者でしょう? 山葉は“元”かもしれないけどそれでもっ。ちゃんと責任持ちなさいよ」

「……じゃあどうすればいい? どう責任を持てと?」立ち上がった彼女を見上げもせず、入間は言った。「ただの精神科医になにが出来る?」

 口を開きかけたところで、クーリロワの視線が入間の手元に留まる。

 前かがみの姿勢、膝の上で組んだ指は、白くなるほどきつく握り合わされていた。

(そうか、この人は――)

 クーリロワと違って最初から蚊帳の外だったのだ。待つことしか出来ず、なにも感じていないはずがなかった。それでいて、なにか出来る立場であったはずのクーリロワは最後どうしようとしたか? 全てを警察に、父に丸投げしようとしたのだ。

「クーリロワ君、君はなにを焦っている?」

 勢いを失ってうな垂れた彼女に入間が言う。

「だって」と彼女は言い訳がましく言葉を探す。「戦争が始まるんですよ?」

「彼はひどい怪我をしているんだろう? いきなり前線に送られることはないよ」

「基地が攻撃される可能性だってあるわ、そうしたらツォエも危険に――」

「基地が直接攻撃を受けるということは、制空権を完全に抑えられたということだろうね。そうしたらどこにも逃げ場はないよ」組んでいた指を解き、子供に言い聞かすような口調で彼は言う。「それに山葉君は馬鹿じゃない。全て考えた上で行動しているはずだ」

「だけど」

「そうやってPMCを――《タブラ・ラサ》をかたくなに否定するのは何故だい? 君はなにか隠していないか?」

 クーリロワは立ち尽くし、唇を噛む。なにも知らないくせに。そう恨んだ前のカウンセラーを思い出す。いかに馬鹿げた考えだったのか今になってよくわかる。ひどい逆恨みだった。筋違いだった。

 なにも知らないのも当然だった。

 彼女が話さない限り、誰も知らないことなのだから。

「やっぱりなにか知っているんだね? 隠さないで教えてくれ、それは」

 入間が腰を上げ、彼女に詰め寄ろうとしたときだった。書斎机の電話が鳴った。入間は顔をしかめ、クーリロワと電話を順繰りに眺めたが、やがて観念したように机に向かった。

「……はい?」

 クーリロワに聞こえるのは一方通行の会話だけだ。しかしそれでも、電話の内容がなにか重大らしいということは声の調子からわかった。すぐ行く、と言い残し電話を叩きつけるように戻すと、入間は椅子にかけていた白衣を掴む。

「先生、いったい何の」

「すぐ戻るから待っていてくれ」

「え、ちょっと――」

「テレビだ、君も確認してくれ」

 部屋の片隅、埃をかぶった液晶テレビを指差し、入間は弾丸のように部屋から飛び出していく。クーリロワはそれを呆然と見送る。やがて我に返り、腑に落ちないままも、言われたようにテレビを点ける。

 ニュースがやっていた。

「ちょっと、これって……」

 内容を理解していくと、彼女は目を丸くして、そのうちに、独り言のための言葉さえ失った。



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