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序章 「予兆(よちょう)」

――――――げて


「・・・え?」


ふと女性の声が聞こえた気がした。だが周りを見渡しても誰もいない。


「――――気のせいか」


でも最近よく聞くんだよな・・・幻聴?って、まだそんな歳とってないんだが。


「う~ん・・・」


ふと、隣を歩いていた女の子が顔を覗かせた。


「響ちゃん、どうかしたの?」

「うん?・・・いやなんでもないよ、涼香すずか


彼女の名前は花邑涼香はなむらすずか。俺、天倉響あまくらひびきの幼馴染である。

家が隣ってことで昔からよくお世話になっている。

・・・まぁ単純に涼香が極度の世話好きってだけなんだけどな。


「・・・そう?あんまりにも響ちゃんが深刻な顔してたから」

「―――そんな顔してたか?俺」


しまったな、涼香は心配性だからなるべく顔に出さないようにしてたんだが。


「うん・・・何か心配事があるなら遠慮なく言ってね?私相談に乗るから」


―――ほらやっぱり、そんな不安そうな顔して。


「あぁ、でも本当に大丈夫だから!・・・心配してくれてありがとな、涼香」


すると涼香の顔はみるみる内に真っ赤になった。


「あ、うん。響ちゃんが大丈夫ならそれで良いの・・・それで」


よかった、これなら大丈夫だな。

「涼香には笑顔でいてほしい、そのほうが・・・か、可愛いからな。」

なんてことは口が裂けても言えないな。


「ほら、響ちゃん。早くいこっ?このままだと遅刻しちゃうよ!」

「お、おう!」


俺はこの時思いもしなかった。まさか、全速力で走り込むことになるとは。




「・・・ギリギリ・・・ま、間にあったぜ」

「はぁはぁ・・・そ、そうだね」


学校に到着した頃には二人の息はかなり上がっていた。

それもそのはず、あの後響が宿題を家に置いてきたことに気付き慌てて取りに帰り、

そのまま全速力。陸上選手ばりに走っていたのだから。


「はぁ・・・・こ、こんなに走ったの・・・生まれて初めてだぜ」

「・・・かもね」

「悪いな、涼香まで付き合わせちまって・・・」


そう、本来なら涼香には先に行ってもらって俺だけが取りに行けばよかったのだが。

なぜか涼香はついてきた。


「ううん、平気だよ?私が好きでついて行ったんだから」


そう言いながらこちらに笑顔を向けてくる。


「そ、そっか」


そんな顔されたらなんも言えないじゃないか。

涼香には敵わないな・・・。


とそこに、


「おやおや、お二人さん。朝から熱々ですなぁ・・・ムフフ」


やたら顔をニヤニヤさせた奴が現れた。


「そんなんじゃねーよ・・・朝から茶化すなよ、あおい


葵陽夏あおいはるか。俺達のクラスメートで涼香の親友。

見た目はかなりロリ・・・けふん。もとい、かなり可愛い。

なので学校ではマスコットキャラとして男子にも女子にも人気が高い。


「ムフフ・・・朝はダメでも夜ならいいと?さすが"夜の帝王"の異名を持つ響さん」


性格に難ありだが・・・。


「・・・って、誰が"夜の帝王"だ!!そんな異名持った覚えはないっ!」

「・・・響ちゃんって"夜の帝王"だったの?」


瞳をうるわせて涼香がこちらを見てくる。

やめて!そんな目で俺を見ないでっ!!


「おい、葵!!お前が変なこと言うから涼香が誤解してるじゃないか!!!」

「誤解?・・・そんな、酷いですっ響さん!!」

「え?・・・お、おい葵?」

「私と過ごしたあの熱い夜を忘れたっていうの?」

「・・・・・」


いや、そんな夜は記憶にないんだが。


「あの夜、響さんは私をベッドに押し倒してそのまま熱くたぎった分身を私の口・・・」

「す、ストーップ!!!!!」


俺はすかさず葵の口を手でふさいだ。


「んっ、んんんっんん―――――(な、何するんですか~)」

「いいからお前は少し黙ってくれ頼むから」

「・・・・・・響ちゃん」


涼香が今にも泣きそうな顔をしている。


「す、涼香?葵が言ったことは全部ウソだからな?」

「う、うそなの?」

「おうともさ!俺が涼香に嘘ついたことなんてないだろ?」

「・・・うん」


すると涼香は途端に笑顔になった。


「そ、そうだよね!響ちゃんがそんなことするわけないもんね」

「おう!そうだぞ涼香、俺を信じろ」

「うん!・・・・・それであのね響ちゃん?」

「うん?」

「葵ちゃん泡吹いてるよ・・・」


手元を見ると目を回している葵がいた。


「・・・・・・きゅぅ~」

「あ、葵――――!!!!!!」



ガラッ



「騒がしいぞお前ら・・・ってまたお前たちか」


すると教室のドアからガタイのいい男性が入ってきた。


「あ、先生・・・どうもです」


安部淳史あべあつし先生、俺たちの担任だ。


「仲が良いのは結構なことだが、あまり騒ぐなよ?お前たちの声廊下まで響いてるからな」


・・・げっ


「"夜の帝王"らしいじゃないか、天倉?」

「って先生掘り返さないで下さいよ!」


アハハハハッ


教室中に笑い声が響き渡った。

・・・・くそう、いいさらし者じゃないか。


「さぁ~席に着けお前ら」


ササッ

先生の指示で塵散ちりじりだった皆が一斉に席に着いた。


「まぁ、天倉の夜の武勇伝は後でじっくり聞くとして・・・」

「もうそのネタはいいっすよ!!!」

「今日は皆に新しい仲間を紹介しよう!」

「スルーっすか?!」


・・・うん、まてよ?新しい仲間って。


「もうすぐ夏休みに入るって時に転校生・・・」


どんな奴だろ?可愛い子かな・・・。


「響さん、今転校生が可愛い女の子だったらいいなぁ~とか思ってませんでした?」


急に葵が横から顔を覗き込んできた。


「うおっ!?あ、葵。気が付いたのか・・・」

「もうっ、酷いんだから響さんってば。危うく三途の川見るところでしたよ・・・」


本当に死にそうだったのか・・・。


「悪い悪い!・・・ってそもそもお前が変なこと言わなきゃ――――」


ズキンッ


「・・・くぅっ」


な、なんだ急に頭が・・・痛く。


「ど、どうしたの?響さん」


葵が心配そうな顔でこちらを見ていた。


「う・・・ん、なんか急に頭が痛くなってさ」


まだ痛いが先ほど感じた痛みよりは楽なっていた。


「ほんとに大丈夫?なんなら保健室行くとか・・・」


余程心配してくれているのだろう、普通なら下ネタを挟んでくる葵が普通にしゃべっていた。


「本当に大丈夫だからさ・・・悪いな心配かけて」


遠くの席に座っている涼香も心配そうにこちらに視線を送っていた。

その視線に答えるように俺は親指を立てて合図を返した。


「・・・・ということで、紹介しよう。氷堂薫君だ、入ってきたまえ」


ガラッ


ソイツが教室に入ってきた瞬間・・・。


ズキッ


先程の頭痛がまた襲ってきた。


「・・・つッ、さっきから何なんだよ!」

あまりの痛さに思わず頭を抱えそうになった時、


―――――逃げてっ!!!!


「・・・・?!」


朝聞こえた女性の声が直接脳内に響き渡る。

だが今聞こえた声は朝のものよりかなり鬼気迫ききせまった感じだった。


「に、逃げてっていったい・・・?」


すると入ってきた男が教室を見渡し、俺と目が合った。


ズキズキッ


「・・・・くうぅ?!」


なんだアイツと目を合わせた瞬間さらに頭が痛く・・・・。


「・・・・お前がアマクラヒビキか」


突然、今まで無口だった男が声を発した。氷のように冷たい感情のない声で。


「・・・そ、そうだけど?何で俺の名前を・・・」


「お前を・・・殺しにきた」


・・・・?!


「ディメンション・ゲート構築・・・・結界レベル5に設定」


シュンッ


―――――そう・・・・今日この日。


魔法武器ウィザードアームCODE"グングニール"解放・・・・」


ガチャッ


―――――――平和だと思っていた日常が・・・・。


「目標を殲滅する」


―――――――――音を立てて崩れていった。








この度は”Guardian★Wizard”第一章「予兆」をお読み下さってありがとうございました。

・・・なんと言いますか、このように自分の考えた作品を投稿するのは初めてでして・・・結構緊張しました。

というのもしっかり考えて文章を書けているわけでもないからです。


ファンタジーが好き、非現実的なものが好きというだけですので。

自分がその時「考えたこと、想ったこと、感じたこと」をそのまま書いています。


なので読んで下さった方々には、是非ともアドバイスなどを貰えると非常に有難い次第です。


では最後までありがとうございました。

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