夕暮れの湖畔
あなたは、リリィの頭を優しく撫でるのをやめ、湖畔の静寂に身を委ねました。
(リリィは起きるタイミングを見逃してる)
リリィは、あなたが手を引っ込めた後も、「まだ優しく撫でてくれるかもしれない」という淡い期待と羞恥心から、起きるタイミングを完全に逃してしまいました。
時間は、静かに流れていきます。湖畔に差し込む日差しは、いつしかオレンジ色に変わり、空は深い藍色を帯び始めていました。
あなたは、日が傾き、周囲の気温が下がり始めたのを感じ、リリィを起こすことにしました。
「リリィ殿」
あなたは、優しく声をかけます。しかし、リリィは深く眠り込んでいたため、なかなか起きません。
「リリィ殿。もう夕方だ。風が冷たくなってきた。……そろそろ、隠れ家に戻ろうか」
あなたは、リリィの肩をそっと揺すりました。
リリィは、ようやく目を覚ましました。夕焼けの光に照らされたあなたの顔が、すぐ隣にあります。
「ん……? あ、あう……山田様……?」
自分が長い間寝ていたこと、そしてあなたが上着を敷いてくれた上に、ずっと隣で静かに待っていてくれたことを察し、リリィは再び顔を赤くしました。
「申し訳、ございません! わたくしとしたことが、このような大役の最中に……!」
「いいさ。疲れていたんだ。さあ、立って。もう、外は暗くなる」
あなたは、リリィを立ち上がらせるのを手伝い、広げていた上着を畳みました。
「今日は、師匠殿にも会えたし、里の様子も分かった。ありがとう、リリィ殿。隠れ家へ帰ろうか」
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