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師匠との…

フィリアスは、ラッキースケベの戸惑いを押し隠し、すぐに賢者としての威厳を取り戻しました。


「勇者様、このような騒ぎを起こしてしまい申し訳ありません。さて、わたくしは少々寝不足で大変なところですが……せっかくのご訪問です。お茶でも飲みながら、ゆっくりお話をしましょう」


フィリアスは、優雅に微笑みました。


それを聞いたリリィは、すぐに反応します。


「師匠、わたくしが別室でお茶を準備してまいります!」


リリィは、あなたが師匠に機密情報を話す間、邪魔をしないようにと、急いで隣室へと向かいました。


別室では、リリィがエルフ秘伝のハーブを淹れる準備を続けています。


しばらくの間、隣室からはフィリアスと山田ジロウの談笑する声が聞こえていました。世界の情勢や、勇者計画についての真面目な会話です。リリィは、二人が打ち解けていることに安堵していました。


しかし、急に話し声がピタリと静かになりました。


そして、聞こえてきたのは、フィリアスの耐えるような声です。


「んっ……ああ、山田様……そんな、強くは……」


それはすぐに、艶っぽい嬌声へと変わります。


「ひぃ……! そこは、いけません……! くっ、あぁ……!」


リリィは、その声を聞いて、頭の中が真っ白になりました。


(師匠が……! 山田様の呪いを鎮めるために、身体を張って儀式を……! わたくしが昨日やった、ローブをめくる程度の儀式ではない……!)


リリィは、涙がとめどなく溢れるのを感じ、お茶の準備を続けることができませんでした。両手から力が抜け、その場に崩れ落ちてしまいます。


しばらくして、隣室が静かになり、フィリアスの声が廊下に響きます。


「リリィ、お茶はまだかしら?」


リリィは、慌てて涙を拭き、残りの準備を急ぎます。


お茶をトレーに乗せて部屋に戻ると、そこに立っていたのは、少し着衣が乱れ、顔は火照っていますが、どこかツヤツヤとした表情のフィリアスでした。


そして、その隣でニヤニヤとした笑みを浮かべている山田ジロウ。


リリィは、その光景を見て、全てを理解しました。師匠が、自分には耐えられない究極の献身を、山田様のために成し遂げたのだと。


リリィは、心の中で師匠の崇高な行為に、深く敬意を評します。


フィリアスは、リリィに微笑みかけ、優しさをもって言いました。


「リリィ。そのお茶は後でいいわ。リリィも山田殿にやってもらうのだ」


リリィの顔から血の気が引きました。


「えっ……?」


「山田殿は、本当に素晴らしいわ。リリィ、君も疲れているはずよ。さあ、遠慮しないで」


リリィは、絶望に打ちひしがれ、小さな声で「イャイャ……」としか言えません。


(え、まだ心の準備……や、最初は好きな人って決めてるのに……! 師匠の命令とはいえ、わたくしは今から……!)


リリィが呆然と立ち尽くす中、山田ジロウがゆっくりとニヤニヤと笑いながら近づき、リリィの背後に回り込み、彼女の腰にそっと手を触れ始めました。


---


数分後。


リリィは、激しい衝撃と戦慄の体験を終え、全身が脱力した様子で椅子に座っていました。


彼女の顔は赤く、目には涙が浮かび、先ほどの師匠と同様に何とも言えない疲労感が漂っています。


しかし、フィリアスが優しい口調で、リリィの様子を尋ねたことで、事態は一転します。


「リリィ、どうだった? スッキリしたでしょう?」


「ひっ……! え、スッキリ……?」


フィリアスは笑顔で説明しました。


「実はね、リリィ。わたくし、最近寝不足と、胸が大重くて、ひどい肩こりと腰痛に悩まされていたの。でも、山田殿は『現代社会で培った究極の指圧テクニック』を持っているらしくて、この世界では受けられない施術をしてくださったのよ」


「本当に激しいマッサージだったけど、驚くほど効いたわ。貴方も疲れているだろうから、勧めたのよ」


リリィは、その話を聞いて、全身の血が一気に逆流するような衝撃を受けました。


(え? ええええええええええええええっ!?マッサージ!?)


(儀式じゃない!?あ、あの淫靡な嬌声は、マッサージの激痛に耐える声だったの!? し、しかも、師匠が胸が大きいせいで肩こり!? そして、わたくしは……腰痛も肩こりもないのに、指圧を……!どおりで変だと…)


リリィは、自身の純粋な乙女の絶望と、究極の羞恥が、山田ジロウの腰痛と師匠の肩こり・腰痛という極めて現実的でマヌケな理由によるものだったと知った瞬間、顔を真っ赤にして、恥ずかしさで爆発しそうになりました。


フィリアスは、これが儀式とは一切関係なく、山田ジロウの善意とリリィに対するちょっとしたイタズラ心であると、純粋に理解していました。


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