表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダンジョン冒険者にラブコメはいらない(多分)~正体を隠して普通の生活を送る男子高校生、実は最近注目の高ランク冒険者だった~  作者: エース皇命
上司としての責務編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/141

第29話 全ての動機がエロというド変態

 俺は楓香(ふうか)を信じることにした。


 キングオーガに勇敢に立ち向かい、最後には必ず勝利してくれると。


 11階層のボス部屋からは、キングオーガの雄叫びが聞こえる。

 敵を威嚇する目的の雄叫びは、対峙する冒険者の気力を奪い、恐怖を増大する効果があった。


 ――大丈夫だろうな……。


 これは楓香が自力で乗り越えるべき壁だ。


 できる限り手を出したくはなかった。




 ***




 ダンジョン11階層のボス部屋。

 王座に堂々と腰掛けるキングオーガの前には、あっけなく斬られ倒れた側近たちの姿があった。


 突如として現れた1人の女冒険者。

 白桃(しらもも)楓香の存在にキングオーガが狂気の笑みをこぼす。


『オマエノコトハ、オボエテイル』


「……」


 その冒険者の容姿には見覚えがあった。


 1年ほど前だっただろうか。

 10階層に漂ういい(・・)香りに引き寄せられ、そこで遭遇した女冒険者2人のうちの1人。


 1人は殺した。


 もう1人……それが目の前の少女だ。


「わたしを……覚えてる?」


 オーガの王は頷くと、王座から立ち上がった。


 身長は3メートルもある。

 156センチの楓香の約2倍だ。


 威圧感を放ちながら、小さな人間を見下ろす。


『コロサレニキタノカ?』


「……違う。わたしはあなたを……倒しにきた」


 キングオーガは感心した。

 あの時は楓香に逃げられたわけではない。わざと逃がすことで、恐怖心を植え付けたのだ。


 今、ここに立っている彼女からは確かな恐怖が見えるものの、絶対に倒すという強い意志のようなものが伝わってくる。


「わたしは負けない。だって……才斗(さいと)くんと約束したからっ! この戦いに勝てば、才斗くんとえっちできるんだ!」


 白桃が飛び出した。


 突然の攻撃に、キングオーガでも対応できない。


 斜めにかわすことで精いっぱいで、ズレた攻撃の軌道が王座に当たり、粉々に砕け散った。


 そこから1対1でのバトルが始まる。


 白桃は自分の小ささを利用し、相手よりも速いスピードであらゆる角度から攻撃を繰り出す。


 前回戦った時はスピードが足りていなかった。

 恐怖に囚われ、剣を振ることにも迷いがあった。


 だが、もう違う。

 白桃は自分の弱さを知った。もう1つの人格があることを知った。


 そしてその弱さと別の人格の存在を認め、受け入れることでさらに強くなったのだ。


 見える。


 敵の攻撃が。


 ――もう怖くない!


 見切ってしまえばこちらのもの。

 スピードでキングオーガに勝っている以上、相手の攻撃を食らわなければパワーも体格も関係ない。


 しかし――。


『ワタシヲナメルナ!』


 キングオーガが雄叫びを上げた。


 白桃の身長くらいある大剣を振り回す。そして生まれた波動が、白桃の体にダイレクトに当たっていく。


「――ッ」


 風圧でピンク色の髪が後ろに引っ張られる。


 圧倒的な力の差。

 攻撃が当たらなくても、素振りで生み出す風だけで白桃を吹き飛ばすことができる。


「わたしは……わたしは才斗くんと……えっちするんだぁぁぁあああ!」


 白桃も対抗するように雄叫びを上げた。

 真剣なバトルシーンには適さないセリフである。


 白桃の全身から魔力が放たれ、風を跳ね除ける。桃色の優しい光が彼女を包み、力をさらに増していく。

 そのオーラは剣に集約され、同時に風も吸収されていった。


『バ、バカナ……』


 ――もう1人のわたし、聞いてる? わたしはもっと強くなる。だから……わたしのこれからのダンジョンでの活躍、見てて。


 一気に剣を振り上げる。


 魔力のオーラが剣を(まと)い、キングオーガの背丈よりも遥かに長い大剣の完成だ。


 ――わたしは過去を乗り越える!


 剣が振り下ろされた。


 容赦なき一撃。


 黒瀬(くろせ)才斗の手助けなど必要なかった。

 全部白桃が成し遂げたことだ。


 キングオーガが攻撃を回避できずに真っ二つにされる。倒されたモンスターの体は塵となり、またダンジョンへと(かえ)っていく。


 そのうち(よみがえ)るかもしれない。

 しかし、白桃はもう怖くない。


「何度蘇ろうと、わたしが倒すから」


 力強く呟くと、粉々になった王座と塵となったオーガたちに背を向け、ボス部屋を去った。




 ***




「ということで才斗くん、えっちしましょ」


 ダンジョンから出て家に帰った矢先、俺はベッドに押し倒されていた。


 お腹の上に馬乗りになっているのはもちろん淫乱楓香だ。


「キングオーガと戦いながら、ずっと才斗くんとのプレイのこと考えてました」


「もう怖くもなんともないんだな」


「最高のご褒美が待ってるって考えたら、大したことありません。もう我慢できないんです」


 火照った顔ではぁはぁ言いながら、綺麗な顔を近付けてくる。


「えっちを約束するとは言ってない。せめて食事とかにしてくれ」


「だめですぅ。じゃあせめてディープキスしてください」


「断る」


 俺はAランク冒険者のパワーで強引に楓香を持ち上げ、ベッドから追い出した。


「力強いですね、才斗くん。激しめがいいですか?」


 こいつ……。


「俺も約束の期待を裏切るようなことはしたくない。だから……明日冒険者ワールドに行くっていうのはどうだ?」


「冒険者ワールド、ですか」


 冒険者ワールドは東京にある特大テーマパーク。

 一般人向けに作られた施設だが、冒険者自身も楽しむために利用することがある。


「わかりました! それじゃあ週末デートってことですね。条件は1泊2日でダブルベットの部屋にすることですけど……才斗くんならオッケーしてくれますよねっ?」






《休日と大阪出張編 予告》

 ダンジョン攻略に明け暮れる黒瀬(くろせ)にも、休日がある。

 東京の特大テーマパーク、冒険者ワールドを満喫する黒瀬と白桃(しらもも)。しかし、テーマパークでの休日を過ごしているのは2人だけではなくて……。

 一方、山口は青木(あおき)に呼び出されて大阪へ。そこで青木から、衝撃の内容を告げられる!


※ブックマーク、★★★★★評価をしていただけると嬉しいです。

 西園寺(さいおんじ)社長も喜びます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ