表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/76

6


※※※

 

 この日、エドガーは長い時間アイリーンと共に過ごした。というよりかは、一時として離れずにぴたりと寄り添っていたといっても過言ではない。

 思い返せばガーデンパーティから今日まで、お互いの気持ちはすれ違い続けていた。小さな誤解が大きな不安の芽となってしまうことをエドガーは実感していた。


 二度とアイリーンを不安にさせたりしないと心に誓う。だが、彼は口下手で不器用な人間だ。とくにアイリーンのこととなると途端に余裕をなくしてしまったりする。

 アイリーンにはそんな情けない姿を見せたくなかった。虚勢を張っているわけではなく、単純に好きな女性に少しでもカッコよくみられたいという男の心理だ。


(まるで子供のようだな……)


 エドガーは自身に呆れかえる。それと同時に、生まれて初めてこんな感情を抱かせてくれたアイリーンに心から感謝するのだった。 

 夕食を終えて湯浴みをするアイリーンと別れて、エドガーはそのまま自室へは戻らず執務室へ向かった。

 本音を言えばまだ一緒にいたかったが、結婚前の女性と一緒に風呂に入るわけにはいかない。


(ちょっと、待て。結婚してしまえば一緒に風呂に入れるのか……?)


 エドガーの足がピタリと止まる。食後に一緒に風呂に入り、共にひとつの寝台で眠りにつく。夫婦となれば当然のことだが、考え出すと自制が利かなくなりそうだった。エドガーは執務室の前で一度大きく息を吐きだして気持ちを整え、扉を開けた。


「なんなんですか! あの継母と義妹は!」


 執務室へ入るなり、ルシアンがワナワナと唇を震わせてエドガーの前まで歩み寄った。


「礼儀もなにもあったもんじゃありませんよ。しかも、義妹に色目まで使われたんです。勝手に腕を組まれて、豊満な胸を押し当てられて……。その様子をシーナに見られたのです。軽蔑を含んだ瞳で見ていました。エドガー様、私があんな女狐に惑わされる男ではないと、シーナに説明してください!」


エドガーが椅子に座るのも待てず、背後からつらつらと文句をぶつけてくる。エドガーは椅子に座り背もたれに体を預けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ