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あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません  作者: 真那月 凜


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31-1.自分を見つめ直す時

「今日、この舞踏会の会場に入って俺は思った」

マックスは一旦そこで言葉を切って会場を見渡した


「この国は愚かな者が多すぎる。半年前に裁かれたナイジェルはその典型だった。そしてここにきて『呪い』が解けたと噂されるエイドリアンに早速群がる愚かな恥を知らない令嬢の多さも…」

その言葉にチラチラとエイドリアンに視線を送り、あわよくば近づこうとしていた令嬢たちが顔を赤く染め体を震わせていた


「アリシャナに対しても同じだ。アンジェラの言葉に踊らされて散々馬鹿にしていたクセに、どの面を下げて今さら近づこうというのか…それを恥とも思わないこと自体が嘆かわしい」

「…そんないい方しなくても…」

「いや、でも俺ならそんな奴相手にしないぞ」

「だよな、むしろ怒りを覚える」

「でも…魅力的ではあるよな…」

マックスはそれらの言葉をあざ笑う


「平和ボケしたあなたたちに今一度思い出してほしい。この国におけるピアスの効力を」

「ピアス?」

「たまに耳に着けてるひとがいるあれ?」

若い世代でささやかれる疑問に大人たちが焦りを見せていた


「特にこの会場でエイドリアンとアリシャナに近づこうとしていた者に伝えておく。ピアスはこの国で唯一の相手を見つけ、他を受け入れないという魔力による契約を込めた証だ。それを違える…つまり浮気や不倫、2人目の妻を娶ろうとしたならば当人とその相手、双方が死を迎えることになる」

「え…?」

「その見た目に惑わされ、呪いや魔力におびえ虐げていたのを棚に上げ、あわよくばと近づく愚か者がどれだけ死のうが自由だが、今一度これまで自分たちのしてきたこと、そしてこれからしようとしていた事の愚かさを考えて欲しい」

マックスの言葉に会場にいた者は黙るしかない


…が、どこにでも愚か者はいるようである

「何よ…マックス様は自分の見た目がそんなだからひがんでるだけじゃない!」

「ちょっとやめなさい!」

隣の母親が思わず遮っていた

「お母様は黙ってよ。マックス様は自分が見向きもされないからそんな風に言うんだわ。お父様だって言ってたもの。マックス様は絵を描くしか能がない。後ろ盾になる価値もない豚だって」

「やめないか!」

父親も必死で止めに入る


「学校のみんなだって、あんな豚みたいなマックス様の奥様にだけはなりたくないって言ってるわ」

側にいる両親が何とか黙らせようとするが叶わない

さらに学校のクラスメイトだろう令嬢も真っ青な顔をしている


「…アンジェラみたいだな」

「本当に…どこにでもいるんですね…」

エイドリアンとアリシャナは囁くように言葉を交わす


そんな中マックスの周りを馬鹿にしたような笑いが響いた

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