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あなた方が呪いと呼ぶそれは本当は呪いではありません  作者: 真那月 凜


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27-3.私の立場(side:アンジェラ)

お仕置きがなかったのは良かった

それは心からそう思う

「でも…」


私は部屋を見回した

ベッドと机、クローゼット壁に埋め込まれた鏡とその前に水道がある

窓はあるけど小さい上に鉄格子がついてる


「鉄格子なんてなくてもあんな窓から出られるわけないじゃない!」

吐き捨てるように言いながらベッドに腰かける


「固い…」

こんなに固いベッドは初めてだわ

流石に酷すぎでしょ!?


ちょっと待って、服は…?

恐る恐るクローゼットを開けると…

地味な古ぼけたワンピースが5枚ほどかかっていた


「これを私に着ろって言うの?」

太陽の女神と言われた私にこんな古ぼけたワンピースを着ろだなんてありえないわ!

”バタン”

苛立ち紛れに扉を閉める


怒りをぶつける相手も愚痴をこぼす相手もここにはいない

静まり返った狭い部屋の中で私は初めて自分の身に起きていることをじっくり考えた


太陽の女神と称えられ、男性たちにチヤホヤされた

お父様にも可愛がってもらってずっと幸せに暮らしてた

アリシャナの母親が来て私がお姉ちゃんになると言われたとき嬉しかった…のよね…

「そう、私はあの時喜んでたんだ…可愛がってあげるって決めてた…?」


そう思っていたはずなのにいつから変わったのかしら?

突然お母様が亡くなって…

でもアリシャナの母親は優しくしてくれたから寂しくもなくて…

少しずつ記憶をたどる


「そうよ…アリシャナが生まれて母親が亡くなった後からお父様が変わったんだわ…」

おぼろげな記憶だった

あの日からお父様は私をそれまで以上に可愛がってくれるようになったんだわ

でも私がアリシャナに関わろうとすると叱られて…それがイヤで関わらなくなったんだ…

子供心にそれが辛かったのを覚えてる


でも段々それが当たり前になってアリシャナを虐げれば虐げるほどお父様に褒められるようになったから

だから私はそれが正しいのだと思ってた

「違うわ。それで実際正しかったじゃない。いきなりエイドリアンの婚約者にされるまでは…」


あれは突然の命だった

次の日にはあの家に連れていかれてあの男を見て気を失いそうになった

納得いかなくて散々喚いて、それでも受け入れられなくてお父様に相談したのよ

そしたら恐怖から精神を病んだふりをすればいいと言われたのよね

その通りにしたら上手くいって婚約破棄できてそれで解決したはずだったのに…


舞踏会で帝王に見つかった

あの時見つかりさえしなければこんなことにはなっていなかったのよ!

見つかったから豚をあてがわれてこんな部屋に閉じ込められて…


そこまで考えて思った

私がこんな使用人以下の立場になったのは結局誰のせいなのかしら…?

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